内容説明
小伝馬町で処刑される寸前、牢破りに成功した仏像専門の盗人、庄右衛門は、盗みの下見に来た寺で仏像をさかさにして拝む不思議な光景を目のあたりにする。その頃、深川では、力丸の妹分・小力が、姿を消す。椀田はまだ見ぬ小力に強い興味を持つが―。根岸肥前守が、江戸の怪異を解き明かす、新「耳袋秘帖」シリーズ第四巻。
著者等紹介
風野真知雄[カゼノマチオ]
1951年、福島県生まれ。立教大学法学部卒。93年、『黒牛と妖怪』で第17回歴史文学賞を受賞。2002年、第1回北東文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hugo Grove
18
同心椀田の恋が切ない。2018/01/08
Norico
15
毎回、色々な出来事が重なりあって事件解決に。今回はかなりの大物が関わってくる序章かな。さんじゅあんの正体は誰かしら?それにしても椀田姉弟は面食いね2021/08/22
二分五厘
13
処刑の寸前に、宙を飛んで脱獄を果たした盗賊・仏像庄右衛門。早速狙いに定めた仏像とは。探索を始める町方の前に立ちはだかる寺社方、そして『さかさ仏』を信仰する俊海と名乗る坊主が見え隠れする。今回の焦点は椀田豪蔵の恋と、巨悪に立ち向かうために妖かしの如き人間になろうと決意する根岸肥前か。これから『闇の者』との対決が激化していくのか。墓や坊主、葬式に骨を全て無駄だと言い切った俊海の経への戯れ言「自分で生きているうちに読め。生き残った自分のために読め。死んだ者に読んでやる意味はない」が深い。2016/02/22
うずら
13
耳袋秘帖その14・妖談シリーズ第4巻。「うしろ猫」で捕まった仏像庄右衛門が処刑される寸前に、不思議な技で逃走。更に盗みに入った寺で見たのは、さかさになった仏像だった。栗田と坂巻の名前が出てきて、何だか嬉しかった。椀田の姉のひびきの言動が、やっぱり面白くて好き。私の中では、ひびき姉さんは濱田マリさんで変換されています。そして椀田の恋・・・。奥深いところで蠢いている陰謀の存在は重くなりがちだが、不思議とこのシリーズは風が通っているみたいに軽い。根岸様と五郎蔵が枝豆をぶつけ合ってふざけているのが和みました。2014/05/09
Hugo Grove
12
再読2018/11/06