出版社内容情報
世紀火災海上保険の極秘資料を『中央経済』がスクープ。広報課長は、派閥抗争に巻き込まれながら、ミドルとしての生き方に悩む。
内容説明
派閥抗争、内部リーク、人材潰し…。苦悩、難渋する中間管理職。実在する名門損保に材を取った極めて衝撃的な内容。だが、同じことがあなたの会社で起こっても不思議ではない。
著者等紹介
高杉良[タカスギリョウ]
1939年東京生まれ。化学専門紙記者、編集長を経て、75年に「虚構の城」で作家デビュー。経済界全般にわたり、綿密な取材に基づき、話題作の数々を発表する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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誰かのプリン
25
読めば読むほど腹が立ってくる。 こんな企業が昭和の時代に有ったのですね。モデルとなった会社は、現在統合して変わったとの事ですが、企業風土なその後どうなったのか気にかかります。2018/01/06
reo
22
”いやはや何の因果か広報部”(自作)という川柳になりそうなほど広報マンとは過酷な仕事ですなあ。新任の広報課長木戸は、何も知らされないまま世紀火災の広報部の最前線に出されてしまう。厭な仕事をすべて部下に押しつけて報告は聞かなかったことにする青野室長(高杉良作品ではこんな奴が出世する)経営陣の社内抗争の闇に巻き込まれ、記者クラブの横暴に弾き飛ばされ、最後は部下の裏切りに遭う。やりきれないね。それにしても記者クラブだが、この小説の場合は金融記者クラブだろうがはっきり言ってクソだな。昭和の香り満載の企業小説。 2018/08/21
こうせいパパ
22
広報の大変さがよく伝わった。時代背景の違いからか、序盤はなかなか感情移入が難しかったが、中盤付近から一気に動いてきた。スカッとする結末ではないが社内の根回しや派閥など、いつの時代も人間関係のいざこざは尽きないものだ。2018/07/04
ゲバオ
19
世の中の全サラリーマン必読! ってな感じの本。30年以上も前の本だけど現代でも通じる面白さ。 会社の役員・経営者陣の不始末、派閥争いに 主人公の広報課長が奮闘するってな内容。(安田火災がモデル) 読んでて主人公の木戸に感情移入しすぎて、共感したり モヤモヤしたり 憤ったり 感情が揺さぶられまくりだった。 自己中な役職者だらけで、こんな会社の広報に配属されたら精神がどうにかなりそうだ。 結末は賛否両論っぽいけど、とても面白かったです。2019/05/14
4丁目の父ちゃん
19
私が主人公の木戸課長だったら100回は会社を辞めているだろ私には絶対務まらない広報室。 ちょっと物足りない結末となってしまったがハラハラドキドキ、高杉さんらしい作品を楽しませてもらいました。 ところで何処の会社の事だろうか?2019/02/08