出版社内容情報
仕事に挫折し、世を捨てて田舎に移り住んだ岸川を待っていたのは、頼りない役所職員と元気なジジババと挑む、町おこし作戦だった!
内容説明
町村合併でお荷物扱いの旧川西村。仕事に嫌気がさし「田舎暮らし」目指して移住した元コピーライターの岸川は、熱心だが失敗続きの役所職員に頼まれて町おこしに協力するはめに。元気なジジババ以外なんの売りもない町。ところが自棄で提案した「輪投げ大会で町おこし」に住民たちが乗り気になってしまったから、さあ大変!?ほんのり温かくってじんわり優しい桂望実のエンターテインメント。
著者等紹介
桂望実[カツラノゾミ]
1965年東京都生まれ。大妻女子大学卒業。会社員、フリーライターを経て、2003年『死日記』でエクスナレッジ社「作家への道!」優秀賞を受賞し、デビュー。2005年『県庁の星』が映画化され話題に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
papako
77
楽しかった!いろいろあって田舎へ引っ込んだ岸川。頭でぐるぐる考えて悩んで立ち止まっている。そこで出会ったジジババ、そしてがんばる中年池田、工場で働く新山やアウベルト。地域起こしのためにひらく輪投げ大会の準備やいろんなことを通して少し立ち直る。何かがすごく変わるわけではないのに、すごくいいなぁ。変わるジイ、しげジイ、いいコンビ。池田いいやつだわ。最後の方で、亀ジイの尊敬する人でカルロスゴーンの名前が出てきて感慨ひとしお。たかが輪投げ、されど輪投げ。うん、楽しかった!2020/04/18
はつばあば
57
この本も題に惹かれて。後輩を自殺に追い込んだ後悔から我が身も仕事を辞め離婚。そして逃れていったのは過疎の村。過疎の村に都会から転入する人は多い。が上から目線の転入者が多いから軋轢を生むこともあるらしい。この岸本、ひっそりと孤独に暮らすこと一年。過疎の村脱皮に一役買って爺様・婆様・外国人労働者ともに交わり・・気持ちが癒されていく。35~6で人生を投げるような生き方はどうかとも思われるが、自分から気持ちを開くのが無理ならこのような自然と枯れた人たちに囲まれ・・「時々若者と」って生活もいいでしょうね2021/12/16
相田うえお
55
良かったです。★★★★★桂せんせって、たまにマニアック?マイナー?奇想天外な題材やオカズを入れてきますねぇ。輪投げ?おーまいがー。
かんらんしゃ🎡
51
ジジイとはなんだ! love と言うからには[おじいさん]とか[じっさま]とかせめて[じぃじ]だろ(笑) このタイトルのシニカルさが、腹にいちもつ背中に荷物、なにか面白さを予感させたんだけどね、う~ん、残念。深みの無い人物と臨場感の無いゲーム輪投げに途中で興味が失せてしまいました。2016/11/22
hit4papa
48
仕事上で後輩を裏切り自殺に追い込んでしまった主人公。会社を辞め、妻と別れて、過去から逃れるように田舎へIターンし、怠惰な日々をおくります。周囲の人々と交わろうとしなかった主人公ですが、ささいなきっかけから町おこしの輪投げ大会に手をかすことになります。本作品は、いわゆる自滅してしまった男の再生物語です。町のプライドをかけた手に汗握る輪投げ対決が本作品のみどろこですね。ただ、再生物語としてはグサリと心に突き刺さってくるものがなく、感動まではいま三歩ぐらいでしょうか。タイトルから想像するような笑いはなしです。2018/12/31