内容説明
「殿は、いつまでもあの『覇王』の手先であってはなりませぬ」。死を目前にした軍師・竹中半兵衛は、病床で秀吉に四つの忠言と秘策を授けた。天正七年(一五七九)六月、蜂須賀小六、前野小右衛門ら播州から駆けつけた異能集団“山の民”を伴い、秀吉は密かに天下取りに動き出す。大ベストセラー『信長の棺』に続く本能寺三部作、第二弾。
著者等紹介
加藤廣[カトウヒロシ]
1930年東京生まれ。都立新宿高校から東京大学法学部に学び、54年に中小企業金融公庫に入庫し、京都支店長、本店調査部長などを歴任。山一證券に転じ、同経済研究所顧問、埼玉大学経済学部講師などを経て、中小企業やベンチャー企業のコンサルタントを務めるかたわら、ビジネス書の執筆や講演活動を行う。2005年に構想15年の書き下ろし長篇『信長の棺』で作家デビュー。『秀吉の枷』、『明智左馬助の恋』と本能寺三部作を発表して大きな話題を呼ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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キムトモ
116
〜来春大河ドラマ対策強化月間〜秀吉、光秀、信長の今回は秀吉様のお話。本能寺での信長の最期に秀吉の陰謀説は他の作品でも見たことがありますが…本能寺の変→光秀討伐→その後の大閤様の天下統一の展開を見ると今作の秀吉様の言動は納得させる…(ノ-_-)ノ~┻━┻中巻で光秀討伐の話になるの⁉︎2019/11/06
どどいち
57
上・中・下の感想。 秀吉の一生を描いた一冊。似てる本を沢山読んできましたが、事細かく書かれた本書は凄い読みやすかった。良さも悪さも秀吉らしい。2016/05/03
mura_ユル活動
51
久々の時代小説。加藤さんは初読。秀吉の信長への態度が新しい。幼い甥を田楽刺し・・・、鼻の奥がツンとした。感想は最後で。(このレビューは年度最後の日に購入したタブレットから)2014/03/31
sayan
48
前作「信長の柩」が非常に面白く、続けて手に取ったのが「秀吉の枷」。フィクションとは言え、これまで信長一辺倒のイメージが強い秀吉が「己を見つめなおす」際に見せる信長への想いは、新たな秀吉像を見せてくれるもので、その内容は非常に生々しく面白い。言うなれば、天下を取るという事業を起こすベンチャー企業経営者=信長のもとで、大手からの出向者然とした光秀に、学歴も何もないが能力だけで企業をもりたてる秀吉と、本能寺の変が終わり中巻へと物語は進む。経営者として次は秀吉が天下取り事業を担ってい様を筆者がどう描くのか楽しみ。2017/11/28
つーこ
36
明るくフレンドリーなイメージだったのに、この人に描かせると秀吉ってこんな息苦しい人なんだ〜。その出自には謎が多くあるとは知っていたけど、そこを絡めて信長への嫉妬や恨みにまみれた秀吉像に、面白くってワクワクしながら読んだ。『信長の棺』程のミステリー感がないのでちょっと読むスピードは遅くなったが、続きが気になる。2014/12/21