内容説明
「精進料理天下一」と賞される逢坂山月心寺の庵主さん。白洲正子に「女一休」とも呼ばれたその半生は、まさに波乱万丈。9歳で親元を離れ仏門に、30代にして落ちた禁断の恋。不慮の事故で半身不随になるも、残された身体で懸命につくる料理が話題になって―。ぬくもりと率直な人柄の伝わってくる人生説法。
目次
序章(いくつもの「なぜ」;付録の人生)
第1章 反発(野生の子;小ぼんちゃん ほか)
第2章 恋着(水月の若はん;醜聞 ほか)
第3章 再生(僧籍剥奪;ふりだし ほか)
終章(矛盾;観照 ほか)
著者等紹介
村瀬明道尼[ムラセミョウドウニ]
1924(大正13)年、愛知県に9人兄弟の5番目として生まれ、9歳で京都の高源寺の弟子となり、仏門に入る。京都府八幡市の水月寺、福井県大飯郡高浜町の海見寺を経て、滋賀県大津市の月心寺へ。精進料理、特にごま豆腐は「天下一」と賞され、訪れる客には「吉兆」創業者の湯木貞一、白洲正子、永六輔など著名文化人も多く「精進料理の明道尼」として知られることになった。2001(平成13)年、NHK朝の連続テレビ小説「ほんまもん」では、料理人を目指す主人公の師匠「庵主さま」のモデルに。起伏に富む半生はテレビや雑誌、新聞などで紹介されることも多く、人々の共感を呼んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はるき
14
激動の人生を生きる一人の尼僧。彼女の語る人生の芳醇な重さと明るい語り口に引き込まれる。女であるから諍うし争う。女であるから恋い慕いもだえ苦しむ。でも何よりも尼僧である彼女の人生。凄いものを読んだ。2015/06/11
りりこ
4
「色んな人を知りたい③」やっと手に入れた本、ブルームーンの今日読了できてなお良かった。この本で涙すら人は居るのだろうか。何故だか感情があふれるのでした。自分を見つめるのには強烈な一冊になりました。2020/10/31
katta
2
9歳で出家し、まさに仏門一筋に生きた、「精進料理天下一」と歌われた逢坂山月心寺の庵主さま一代記。修行と女心と諍いと、やはり山あり谷ありの人生の話が面白くないはずがない。2009/10/26
あおい
1
この庵主さん結構過酷な人生でもらい泣き、でもその実かなり豪快でステキなひと~思いのほか面白かった2021/01/24