内容説明
「大事な人の死は、たぶん決して忘れることはできません―」ラジオ局で深夜の番組を担当する快活な妹・和貴子と、卒業後も大学に籍を置き続ける勤勉な姉・菜穂子。北の街を舞台に対照的な二人の微妙な距離が丁寧にたどられていく。掛け違ったままのそれぞれの想いの行き着く先は―。清冽な感動を呼ぶラスト。
著者等紹介
浅倉卓弥[アサクラタクヤ]
1966年、北海道札幌市生まれ。東京大学文学部卒業。レコード会社などに勤務の後、2002年第1回『このミステリーがすごい!』大賞・金賞を「四日間の奇蹟」(現宝島社文庫)で受賞し、作家デビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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エドワード
19
姉の菜穂子は生物化学の大学院生。妹の和貴子は深夜ラジオのパーソナリティ。幼くして両親を失った二人は、同じ男性に恋をしてしまう。その恋人がスキー事故で死亡、臨終の言葉が二人の間にわだかまる。変わった人間の多い大学で働く菜穂子、軽快なトークに彩られる和貴子。ボタンを掛け違った姉妹の心模様、総じて明るいのは和貴子のトークのおかげかな。喧嘩別れ、謎を解く旅。二人は和解できるのか?菜穂子が和貴子に遺伝子のしくみを説明するくだりが面白い。姉妹は遺伝子の多くを共有しているのに、性格が正反対のことが多いのは確かに謎だね。2017/10/31
Book Lover Mr.Garakuta
10
図書館本:まあまあの出来やね。2021/03/21
深沢商店
10
朝倉さんと言えば「四日間の奇跡」を以前に読んだことがありそれに続いてたぶん2冊目。親を亡くした姉妹(妹は更に婚約者も亡くしている)の微妙な関係を、丁寧に描写しています。部分的にじんわりする箇所もあったけど、少々冗長な感じ。ストーリーというより、姉妹による自分語りがちょいちょい長すぎる気がしました。2013/12/05
TAMA
7
2012年32冊目読了。「雪の夜話」ともリンクするもうひとつの物語。失った者に対する姉妹それぞれのアプローチを深く掘り下げて書かれた1冊でした。2012/06/03
魂の叫び
5
2005年刊行してもう10年か〜 かなり久しぶりに借りたのですが、私は好きだな〜 祖母も出番はほとんどないけど、いい味を出していましたし、雪子が出た時は繋がっているのかな〜って考えたり(^-^)/ それぞれ感想があると思いますが私は好きです。いつも書いていますが何故小説に登場する女性は素敵なのでしょう?小説だからって言われたらそれまでですけど( ̄▽ ̄;)2015/01/15
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- 和書
- 社会的共通資本としての川