内容説明
警視庁公安部の倉島警部補は、自分と因縁のある元KGBの殺し屋ヴィクトルが、ロシア人貿易商のボディーガードとして日本に入国していると知らされる。そして、その貿易商が帰国前日に密会していた外務官僚が謎の死を遂げた。ヴィクトルたちを追い、倉島はモスクワに飛ぶ。緊迫の追跡捜査を描く、アクション・ノヴェルの傑作。
著者等紹介
今野敏[コンノビン]
1955年、北海道生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業。大学在学中の78年に「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞し、作家デビュー。レコード会社勤務を経て、81年より執筆に専念。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を受賞。08年、『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞をダブル受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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absinthe
135
六本木周辺での格闘、そしてロシアへ。今作は後半がロシア国内。前作で頼りなかった公安の倉島は、前作でのヴィクトルの影響で覚醒し、パワーアップ!頼もしいぞ。今回ヴィクトルと同レベルの特殊戦術の熟練者がヴィクトルと戦い事になるのだが、それが誰かはお愉しみ。どの人物の行動にも、他にやりようがあったのでは?という余地が残っていしまい、今一共感できなかった残念さはあるものの、ラストの戦いには読みごたえがあった。2024/01/15
KAZOO
124
このシリーズ2作目です。前回のロシアの殺し屋が今回はボディーガードとして入国します。その後、外務省の関係ありそうな職員が死んでその原因究明のために、モスクワまで主人公たちが出向きます。そこでまた関係が込み入った事情になりますが最後はどうやら解決していきます。民主化運動が絡んでいるようです。作者もよく勉強されている気がします。2019/01/03
さっとん
81
倉島警部補シリーズ2作目。 今回もどちらかと言うとヴィクトルを中心に話が進みますが、倉島警部補の成長も見どころです。 話の展開としても中盤までは先が見えず、どう転んでいくのかワクワクしながら読み進め、終盤はどんでん返しはないものの(多少の驚きはありますが)手に汗握るアクションシーンを堪能できました。 最後の倉島とヴィクトルの距離が近づいた感じや、ヴィクトルとエレーナの関係性など次作への期待が膨らみます。2020/03/20
ケイ
73
らしくない公安と、のんびりしてないかい?というロシア側の殺し屋の続き。ロシアより日本国内の方が危なく思えた前作だったが、今回はようやく……といっても、ガンマンのように機敏ではなし。地味にハマるシリーズだ。2025/05/13
stobe1904
67
【警視庁公安部外事課シリーズ②】元KGB工作員のヴィクトルがロシア人貿易商のボディーガードとして来日していることを知った公安警察官の倉島は行方を追い始め、ロシアに向かうが…。舞台をロシアに移した追跡とアクションシーンは迫力満点で、公安警察官として覚醒した倉島が頼もしい。仕事はプロフェッショナルだが、消化器が弱くヨーグルトが欠かせない元KGB工作員のヴィクトルにまた会いたい。★★★★☆2024/02/04