出版社内容情報
池井戸 潤[イケイド ジュン]
著・文・その他
内容説明
巨大スーパー・一風堂を襲った連続爆破事件。企業テロを示唆する犯行声明に株価は暴落、一風堂の巨額支援要請をめぐって、白水銀行審査部の板東は企画部の二戸と対立する。一方、警視庁の野猿刑事にかかったタレコミ電話で犯人と目された男の父は、一風堂の強引な出店で自殺に追いこまれていた。傑作金融エンタテイメント。
著者等紹介
池井戸潤[イケイドジュン]
1963年岐阜県生まれ。慶応義塾大学卒。98年『果つる底なき』(講談社)で江戸川乱歩賞、2010年『鉄の骨』(講談社)で吉川英治文学新人賞、2011年『下町ロケット』(小学館)で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サム・ミイラ
382
うーん、これって爆破テロのサスペンス的展開がなければ半沢直樹とほとんど一緒なのでは?全てが物足りないというか中途半端な印象。半沢シリーズのプロトタイプと言ってもよさそうな作品。2014/10/20
W-G
337
まだミステリ作家の要素を残していた頃の作品。しかし、面白いのは、銀行内での政治闘争や、稟議に関する論戦場面。主人公の板東は、池井戸作品中でも、上位に入りそうな切れ者キャラで、その振る舞いはしっかり格好良く描かれているが、正論を述べるだけ述べて、何かすごい現状打開策を持ち出す訳でもないので、少し空々しさを感じもした。自分の職場にいたら、とてもやりづらそう。エリートの割には、ずいぶんと事件捜査にも時間を掛けていて、銀行員ってそんなに暇なのか?と錯覚させる点は、いつもの池井戸節ではあるが、今回、特に感じた。2022/10/19
れみ
280
大手スーパーを襲う連続爆破事件。その裏に隠された過去の騒動そして犯人の真の目的に、白水銀行の行員である板東と警視庁刑事の野猿がそれぞれに迫って行くお話。なかなか事態が好転せずジリジリさせられてからの逆転はお約束だけど、ラストはもう少し先まで読みたかったかな。あとはタイトルがそのまんま過ぎかも^^;細かいところだけど、預金口座の明細から暮らしぶりを推測するところが興味深い。2015/01/05
ダイ@2019.11.2~一時休止
250
池井戸さんお得意の銀行モノで面白かった。2014/04/27
夢追人009
189
池井戸潤さんの9作目で金融とミステリがベストバランスで描かれた文句なしの傑作ですね。私は著者が完全に音楽と芸能人を意識していると確信しますが、白水銀行の板東(英二じゃない)に巨大スーパー・一風堂(すみれセプテンバーラブが有名)に刑事の野猿(とんねるずの音楽グループ名)と最後に脅迫者の案山子はさだまさしの名曲ですね。本当に心憎い程に巧くできた筋書きですね。悪い奴らが汚い手でもって正義を踏みにじる展開に何とか神よお助けをと祈っていましたら、危ない所でギリギリ間に合って悪党に天罰が下り心からスカッとしましたね!2019/05/18