出版社内容情報
あさの あつこ[アサノ アツコ]
著・文・その他
内容説明
江戸での生活がはじまった。伊月は藩の世継ぎ・圭寿とともに窮屈な大名屋敷住まい。一方、異能の一族に生まれ育った少年・燦も、祖父の遺言を守り、江戸の棟割長屋に暮らす。その二人が町で出会った矢先に不吉な知らせが届く。さらに屋敷でも圭寿の命を狙う動きが―。少年たちが江戸を奔走する、文庫オリジナルシリーズ第二弾。
著者等紹介
あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年岡山県生まれ。青山学院大学文学部卒業。小学校講師を経て、1991年作家デビュー。『バッテリー』(角川文庫)で野間児童文芸賞、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、『バッテリー』シリーズで小学館児童出版文化賞、『たまゆら』(新潮社)で島清恋愛文学賞を受賞。児童文学からヤングアダルト、一般小説でもミステリー、SF、時代小説などジャンルを超えて活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
59
自由と使命、どちらも心ひとつで心の重石となるものなのだろう。江戸に出てきた燦と伊月。彼らがまた相まみえる時、事態は急速に彼らの意思とは関係なく良くない方へと進み始める。シリーズ第二弾も、気が抜けない不穏の影が伊月、そして図らずも藩の世継ぎとなった圭寿に忍び寄る。見えない敵と、放たれる殺気。命の危機を感じながらも、少年たちが己の運命を受け入れて真摯にその路と向き合う姿が健気だ。叶わぬ夢というには若く、だけど叶えられる夢ではない。自由に憧れ使命に安堵する矛盾が大人にはない瑞々しさで描かれる。第三弾へ続く!!2023/04/23
真理そら
57
ここまで読んで違和感ありまくり。燦というタイトルなのに語り手の伊月が主役のような物語の流れ、格式ある家の長子に主家の2男に仕えて影になれという父親、伊月の母をそれほど愛し続けているのに伊月を捨てコマ扱いする父親。神波一族の技や組織がもう少し魅力的ならいいのに、と思いつつ続きを読もうかどうか悩み中。2023/02/28
nins
53
待ったましたシリーズ第2弾。今回もサクッと読める手軽さ。舞台を江戸に移した伊月達。同じく燦も江戸での生活を始める。世間の生活との差を肌で実感しつつ、江戸の雰囲気が色濃く出た。伊月と燦が同じ血を引いていたことをお互い知った結果の反応が思ったよりあっけなくてビックリ。2人の、つかず離れずの微妙な距離感のまま。伊月は圭寿の頼みで趣味で書いた話を版元の須賀屋に持っていくことになったが、怪しい影が見え隠れしだしたり。次の第3弾ではこの布石が動きそう。話は面白いのにこのボリュームの薄さだけがちょっと物足りない。2012/01/05
まりお
48
田鶴から江戸に入り、以前とは激変した生活を送る。一方で神波の燦も江戸に来た。場所も生活も立場も変わり、夢を諦めるかと思いきや、やはりそう変わらないのも彼ららしい。そんな中、何やら不穏な動き。これからどう動くのか楽しみである。2017/06/10
優希
46
圭寿、伊月、燦は江戸に出てきます。陰謀が立ちこめてただならぬ空気感をまとっていますね。圭寿に備わる危険を察知する能力は神波の一族に繋がるのではないかと思わされます。燦と伊月の再会の矢先の不吉な知らせ。江戸で色々なことが起きそうな予感がしてきました。圭寿、伊月、燦は否応無しに因縁に巻き込まれて行くのでしょうね。2015/01/06