内容説明
新宿のスラムで育った亞宮柾人は、ストリートギャング同士の抗争で逮補され、矯正施設に送られる。だがK七号施設と呼ばれるそこは、政治・思想犯専用の刑務所だった。囚人による自治が認められ、一見、自由で新しい施設だが、柾人は陰謀のにおいを感じ、真相に迫ろうとする。思想と信仰の危うさに迫るノンストップ近未来サスペンス。
著者等紹介
五條瑛[ゴジョウアキラ]
1999年『プラチナ・ビーズ』でデビュー。2001年『スリー・アゲーツ』で第3回大藪春彦賞を受賞。アジアを舞台にした国際謀略小説や、近未来のサスペンス小説を得意とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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扉のこちら側
43
初読。2014年1109冊め。近未来サスペンス。ストリートギャングの主人公はなぜか政治思想犯専用の強制施設に入れられる。思想と信仰の危うさ、陰謀の匂い。2014/12/05
ダージリン
8
ストリートギャングなのに政治・思想犯専用の矯正施設に入れられた青年の話。設定が凝ってて面白かった。一見複雑なのにキャラ立ちがはっきりしていて魅力的なのでわかりやすいです。思想や信条にしばられない主人公がしがらみを越えトラブルを解決する様が小気味いい!2010/06/26
たこやき
8
一見、綺麗で、平和、そして自由な刑務所。しかし、そこに感じる違和感と、囚人たちを操ろうとする意図。最初はかすかだったそれが、少しずつ増し、スピードアップしていく展開は面白かった。が、少しずつスピードアップして、さあ、最高速に……と思った瞬間にガス欠で止まってしまったような、そんな不完全燃焼感が残った。実際に、こういうことがあって、こんな結末になるんじゃないか、とは思うが、どうしても、「もやもや」としてしまう。2009/12/11
ゆずこまめ
7
変な人ばっかりなので、ストリート出身者の好感度がやたら高かったです。たくましい主人公がかっこいい。葵と意外と仲良しなのが微笑ましくて和みます。でも所長は結局何のためにあんなことしたんだろう。それがわからない。2012/10/07
がらは℃
7
やはり結末がパッとしないのは否めない。それは、K7号棟/日比谷事件が、現実世界の縮図を表そうとしているからこそかなと感じた。だからこそ結末はパッとしないのかな。2009/10/03