内容説明
バイト先の解体現場に人生のリアリティを見出した大学生のイズミ。巨漢マッチョ坊主カンや、左官職人崩れで女性に対し赤面症の美青年クドウ、リストラサラリーマンのハカセなどと働く「マルショウ解体」の財政は逼迫し、深刻な問題が…。過酷な状況における人間の力強さをユーモラスに描いた傑作青春小説。
著者等紹介
三羽省吾[ミツバショウゴ]
1968年岡山県生まれ。2002年『太陽がイッパイいっぱい』で第8回小説新潮長篇新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
papako
64
再読。すごく息苦しい読書でした。なんか底抜けなお話だった気がして再読すると、なんだ?この閉塞感は!となりました。いっぱいいっぱいの場所でギリギリ生きている世界。そこに熱さを求めたイズミ。いつしか熱に慣れていく。どうしようもない人の事情や社会の仕組みや、会社の事情。そんなものに振り回され、それでもしっかり働いてる!汗と諦めと涙を飲んで、コンクリートは今日も固まる。うん、じっくり読んでいろいろ辛くなった。すごく良かった。2019/04/14
アポロ
63
クーラーの壊れた暑い家で読んだからより熱く暑い夏や青春を感じれた!自分自身漁師してて思うけど、朝明るくなったら起きて暗くなったら寝る、よく寝てよく食べてよく動く!人はこれだけでも幸せになれるよな!2018/07/27
papako
47
なんやわからんけど、ごっつぅおもろかったわ。大学生の主人公がシンプルでリアルな世界、解体屋で働く。下世話でしょーもないであふれているけど、なんだか引き込まれた。けれど、そのリアルな世界もいつしか普通になって。。。いっぱいいっぱいな男たちと主人公のちょっと汗くさいリアルなお話でした。2014/07/22
うまる
41
【マン読】色んな事がいっぱいいっぱいでも、ゆかいに生きる大人の青春もの。笑いあり涙あり下ネタありありで面白かったです。毎日全力投球で生きて、その日のアルコールがうまけりゃ良しって感じが良いですね。こういう生き方も楽しそう。男どもの青春を羨ましく感じます。デビュー作だけど人物造形が凄く、各エピソードも実話かっていうくらい細部までよく描かれていて驚きました。 表紙がなんだか時計じかけのオレンジみたい。内容は太陽がいっぱいとは関係なかったけど、本が出てきて嬉しかった。2022/08/10
佐々陽太朗(K.Tsubota)
40
いささか下品な表現が頻発し暴力的です。どのように下品かと言えば「チ●ポに芯はいってもた」などという表現が平気で出てきます。登場人物に吐かせる台詞は些か直截的で下品ではあっても、その魂自体はあくまで高潔。彼らは小賢しく立ち回り、ちまちま生きることなどはなから頭になく、ただただかっこ悪い生き方はしないと決めている。彼らにとってかっこ悪い生き方とは、例えば、お金のために気にくわないヤツにヘイコラしたり、弱い者を痛めつけるような行為だ。解体屋という掃きだめに高潔の士がいた。2011/09/28
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