文春文庫
恋愛の昭和史

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 350p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167717698
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0195

内容説明

恋愛を語らせて肩を並べる者なき評論家が検証する、昭和という時代の恋愛の形。NHKのテレビドラマにおけるヒロインの婚前交渉の問題、恋愛と結婚の啓蒙家としての菊池寛、瀬戸内晴美・渡辺淳一の性愛小説の展開、男の貞操観念、姦通のモラル、学歴と恋愛の相関の崩壊など、恋愛観、結婚観の変化をあらゆる角度から読解。

目次

普遍的現象としての「恋愛」
「家庭小説」とその周辺
「失恋小説」の誕生―久米正雄の『破船』事件
恋愛と結婚の啓蒙家・菊池寛
「遊蕩文学」の巨魁・里見〓(とん)
男の貞操と広津和郎のX子事件
女たち、性を描く―宮本百合子、コロンタイ
「女の一生」小説の誕生―岸田國士、山本有三
作家たちの恋愛と結婚―伊藤整、石坂洋次郎、石川達三
ジッド『狭き門』の深く広い影響について―芹沢光治良、福永武彦
戦後における「解放」の嘘―『君の名は』
女の欲望―平林たい子の文学史からの抹消
戦後の石坂洋次郎と石川達三
姦通のモラル―巻正平の敗北
昭和後期性愛小説―瀬戸内晴美、渡辺淳一、立原正秋
学歴と恋愛―学校の恋愛文化
歌謡曲の時代
自由恋愛の中の不自由
近代社会における「愛」の誤用

著者等紹介

小谷野敦[コヤノアツシ]
1962年、茨城県生まれ。東京大学非常勤講師。東京大学英文科卒。同大大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了。学術博士。著書に『聖母のいない国』(サントリー学芸賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

石川さん

2
「日本の伝統文化を守ろう!」とか聞かされるときに感じる「その伝統って、いつからよ?単なるあなたのノスタルジーでしょ!」的な感情。じゃあ「恋愛っていいよね、リア充最高!」の場合っていつから?を読み解くのがこの本。恋愛至上主義と(広く)文学史の関係とか。恋愛至上主義と一夫一婦制の矛盾とか面白い。お薦め!リア充なんて浅い歴史じゃん!と思えます。でも世の中は変わらないんだよ!2011/02/13

hika

1
恋愛の近代性ー「結婚と恋愛」「だれでもできる恋愛」の構築の探求。文学史ではない恋愛小説史が面白い。2009/02/06

でっていぅ

0
恋愛の昭和史ってタイトルはどうなんだろうか2013/02/22

inu

0
序盤は堅苦しくて読みにくいなと思ったけども中盤あたりから筆者の本質がだだ漏れになり始めておもしろかったです2011/01/09

0
非常に面白いし刺激的なものだった。いろいろなことに応用できる。2009/06/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/432377
  • ご注意事項