文春文庫
介護入門

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  • サイズ 文庫判/ページ数 169p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167717438
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

29歳、無職の“俺”。マリファナに耽溺しながら、寝たきりの祖母を自宅で介護する日々。“悟っては迷う魂の俺から朋輩へ”放たれる熱狂と呪詛。新しい饒舌文体でセンセーションを巻き起こした、モブ・ノリオのデビュー作にして芥川賞受賞作。単行本未収録の短篇「市町村合併協議会」「既知との遭遇」も収録。

著者等紹介

モブ・ノリオ[モブノリオ]
1970年、奈良県桜井市に生まれる。大阪芸術大学芸術学部文芸学科卒業、同専攻科除籍。2004年、「介護入門」で第98回文學界新人賞受賞、同作品で第131回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

136
2004年上半期芥川賞受賞作。怨念饒舌体、あるいは破滅型饒舌体といった独特の文体。文庫本にして100ページ余りをひたすらに叫び続けるのだ。誰に向って?「朋輩」すなわち読者にだ。この叫びを、あるいは祖母の介護の体験を、我々は彼と共有できるのか?できはしないことを、彼も、そして私も、あるいは君も知っている。この斬新な語りのスタイルに、選考委員の中にも「評価しない」と言う人や「全く意外だった」と言う人も。私の心配は、後が続くだろうかということだ。この文体は維持することも、捨てることも難しいのではないだろうか。2014/02/07

中玉ケビン砂糖

68
、モブ・ノリオといえば、「伝説の記者会見」と「深夜番組での爆笑問題とのトークのかみあわなさ」だけが印象に残っているが、腐っても芥川賞、ということでいささか分析的にものを言うならば、鶴の一声という異能を持つ石原慎太郎がなぜかおとなしめで、さらに古井由吉が消極的にこれを推す、という流れになったため、おそらくこんなイロモノが世に出てきたのではないか、と一考2014/12/21

ω

53
2004年芥川賞ω YO, 朋輩。と問いかけ方式の超COOOOLな介護体験記。喋る喋る。THE BLUE HERBとかMOROHAくらい喋る。どストレートな表現者。この先生は作家である必然性はないのと思う。引き続きどこかで好きにやってくれ。 YO, 朋輩、ωからは以上だ。2021/10/17

そうたそ

32
★★☆☆☆ 芥川史上最大というと言い過ぎかもしれないが、歴代の問題作のベスト3に入ることは間違いないであろう本作。どうも「YO、朋輩(ニガー)」が独り歩きしてしまっている感は否めないが、実際内容もその程度のものであると思う。文学の表現の可能性という部分に重きを置きがちな芥川賞にとっては、ラップ調に表現された文学というのは実に真新しいものだったのかもしれないが、内容自体はそれほど深く読み込む程のものじゃないと思う。ストーリーよりもむしろ文章そのものがパワーを持っている感じ。一発屋になっちゃったのは残念。2014/01/21

朗読者

25
ドラッグをやりながら祖母の介護に真剣に取り組む孫のラッパー?(たぶん著者)の一人称小説。いや実録のような気がする。凄い熱量で、時にふざけ、時に世に絶望し、汚い言葉を使いながらも、熱心な介護で祖母の指先に血が通うようになり僅かに動くようになったことに感動する真面目で忍耐力があって心優しきドラッグ中毒主人公。心に響くものがあった。こちらも芥川賞作品。なるほど。私もちょっと芥川賞作品をわかるようになってきたか。いやまだまだ5%くらいだろうな。2023/12/13

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