文春文庫
不時着―特攻 「死」からの生還者たち

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  • サイズ 文庫判/ページ数 455p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167717131
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

子供のころから「特攻隊員は死の恐怖を克服して、国のために死んでいった」のだと父に聞かされていた著者は、あるとき生還した特攻隊員の手記を読み、そんな通り一遍ではなかった彼らの心情を知る。そして「特攻神話」を突き崩そうとする、長い取材の旅が始まった。第58回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)を受賞した力作。

目次

大和特攻の海で
荒木虎美特攻伝説
不時着
防人たちの聲が聞こえる
幻の予科練
八月十五日の記憶
沖縄つつじの墓標

著者等紹介

日高恒太朗[ヒダカコウタロウ]
1952年、鹿児島県種子島生まれ。国立鳥羽商船高等専門学校卒。一等航海士として勤務後、横浜放送映画専門学院に入学し、中退。テレビの構成作家を経て、82年からフリーライター。『不時着』で、第58回日本推理作家協会賞受賞(評論その他の部門)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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藤瀬こうたろー

2
筆者も文中で触れてましたが、「指揮官たちの特攻」と合わせて読むと良いかも。ただ、城山三郎さんは筆者の日高さんが指摘するほど特攻を美化してはいないと思いますが(関行男さんの葛藤も描いてるし)。いずれにせよ、勝算の無かった戦争の怖さ、悲しさ。特に人命を物のように扱う軍上層部に怒りを覚えますが、それ以上に守るべき人のために死の恐怖に耐え、突っ込んでいった(或いは突っ込もうとして失敗した人も含め)人たちの勇気に感銘を受けました。2013/07/20

Hirotoshi Imagawa

1
海軍の予科練から特攻へ行き生き残った人に会って、特攻の実相を調べ上げたノンフィクションもの。7つの短編になっている。「不時着」を語る桑原敬一は、特攻を命じ後方で生き残っていくエリート士官を批判している。特攻への飛行の途中で故障して到底目標へ到達できない場合、そのエリート士官は「決して帰るな、行ける所まで行って自爆せよ」と言い放つ。3人乗りの攻撃機にはきちんと3人乗せて特攻させる。末期の特攻は特に、若者をひたすら死なせることが目的となっていたとしか思えない。 実は私の叔父が予科練の生き残りだったと聞いている2013/08/08

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