内容説明
「かわせみ」へ奉公に来た頃は、山出しの猿公といわれたお石だが、女中頭のお吉の丹精の甲斐あって、気のつく働き者の娘に成長した。ある日、大店の嫁にという話がくる。一大決心で嫁ぐことにしたものの、お石も「かわせみ」の人々もその日を思うと何故かしら涙が出てきてしまうのだった。表題作ほか全八篇。不朽の人気シリーズ。
著者等紹介
平岩弓枝[ヒライワユミエ]
昭和7(1932)年、代々木八幡神社の一人娘として生れる。30年日本女子大国文科卒業後、小説家を志し戸川幸夫に師事。ついで長谷川伸主宰の新鷹会へ入会。34年7月「鏨師」で第41回直木賞を受賞。平成3年「花影の花」で第25回吉川英治文学賞受賞。平成10年、第46回菊池寛賞を受賞。平成16年、文化功労賞。テレビドラマ、芝居の脚本も数多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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rokoroko
21
平岩氏が一番輝いていた頃の話・・読んでて情景が浮かぶし登場人物への愛情も感じられる。夢中で再読。平岩氏は成田山に行くにも船橋あたりの街道もいい加減に書いてない。木下街道の記述があって「そうよ中山のお寺の実母のお墓にいくにはきおろし街道とおるのよ」と思った・・2023/01/10
はるる
12
小源…!なんて素敵な男なんだ…!「お石の縁談」が予想外すぎる展開で動揺したんだけど、その後二話かけて無事に結ばれ、ほっこり。もどかしいながらも丁寧に二人の距離が近づいていく過程は、このシリーズではあまりない感じで新鮮だった。そして源さんが「ほだされた」小源の言動を詳しく知りたい…。ほんとバレバレだったんだなあ…。「芋嵐の吹く頃」もなんとも言えず目頭が熱くなるお話だった。2018/04/24
がるっち
12
表題作、微笑ましい話だった。ただちょっと現代的にアレンジされてるなぁとも。両家が決めたことに反対できたろうか。何分、関係者に関しては上手いこと話が進む。天邪鬼な人は読んでられないかも。図書館で借りられたらあと二冊も、新シリーズも読んでみたい。2014/11/23
gosuken
11
お石と小源はどうなるのかとドキドキした~最後は私も幸せな気持ちになれました。2015/07/21
rokoroko
8
かわせみの中でも良いお話が多い。なんか成田山に行きたくなった。船橋で宿をとり宿坊に泊まるのね2016/11/26