内容説明
先頃、業者の紹介で「かわせみ」にやって来た女中のおつまは二十五歳、無口だが気がきき、勤めぶりにかげひなたがなかった。盆休みに故郷へ帰ったはずのおつまだったが、浅草界隈で男と一緒のところを目撃されてしまう。流されるように生きていく女の哀感を江戸の風物詩とともに描いた表題作ほか全八編。不朽の人気シリーズ。
著者等紹介
平岩弓枝[ヒライワユミエ]
昭和7(1932)年、代々木八幡神社の一人娘として生れる。30年日本女子大国文科卒業後、小説家を志し戸川幸夫に師事。ついで長谷川伸主宰の新鷹会へ入会。34年7月「鏨師」で第41回直木賞を受賞。平成3年「花影の花」で第25回吉川英治文学賞受賞。平成10年、第46回菊池寛賞を受賞。平成16年、文化功労者。テレビドラマ、芝居の脚本も数多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はるる
11
お石ちゃんがしっかり成長してていいなーと思っていたら、おつ母さんさすが!このおっ母さんみたいな人になりたいなあ。子供達が着々と成長しててわくわく。源太郎くんは源さんに似てるけど、麻太郎くんは東吾よりはやんちゃが鳴りをひそめてるような?花世ちゃんは相変わらず面白い。「梨の花の咲く頃」珍しく男色、しかも時代物では大抵酷い扱いな気がするのに(偏見かな?)割と純愛?ぽくて意外。2018/04/23
椿
10
再読。御宿かわせみシリーズ第31作。お石のお姉ちゃんには驚いたよ。姉妹でも全然違う性格なんだね。「亥の子まつり」が切なかったなぁ。2015/08/05
rokoroko
10
お石のお母さんの人間性に脱帽。こどもたちが生き生きと描かれている一巻2015/08/05
gosuken
8
「猫絵師勝太郎」は事件ものではないけれど、好き。2015/05/22
えぐ@灯れ松明の火
8
慣れない人が悪さをしようとするとえらい目に合う「夜鷹そばや五郎八」、お石の母親の度量の大きさに感心するしかない「野老沢の肝っ玉おっ母あ」、25歳で完全な生き遅れ扱いかと気が重くなる「表題作」、まだまだ東吾と源三郎コンビとは年季が違うと思った「北前船から来た男」2011/09/18