文春文庫<br> 群青の夜の羽毛布

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文春文庫
群青の夜の羽毛布

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  • サイズ 文庫判/ページ数 323p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167708023
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

丘の上の家でひっそり暮らす不思議な女性・さとるに惹かれていく大学生の鉄男。しかし次第に、母親に怯え、他人とうまくつきあえない不安定な彼女の姿に疑問を募らせていく。母娘三人の憎悪が噴出するときに見えてくる、戦慄の情景とは―。恋愛の先にある家族の濃い闇を描いて、読者の熱狂的支持を受け続ける傑作長編小説。

著者等紹介

山本文緒[ヤマモトフミオ]
1962年、神奈川県生まれ。神奈川大学卒業後、OLを経て作家に。『恋愛中毒』で第20回吉川英治文学新人賞受賞、『プラナリア』で第124回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mae.dat

293
文緒さん酷いよ。心の奥底にある、今迄触れた事の無かった感情のスイッチを入れられたみたい。今迄知らずにいた感覚なので、それが何なのかを言語化する事が困難ですよ。主に毱谷家の皆さんと、長女さとるの恋人である哲男で進行するので、登場人物で迷う事は少ないの。毱谷家の皆さんは病みを抱えていたり、闇を抱えていたりで、中々に精神衛生を蝕まれました。でもそう言う思考ロジックで行動しているのねって、分かる部分も有りや無しやでね。はぁ、どうすれば幸せに、平穏に暮らせるか考えちゃうね。文學怖い。パンドラの箱開いちゃったよ。2025/01/28

ふじさん

91
図書館本。不思議な雰囲気の体が弱く、不安定な24歳のさとるに惹かれていく大学生の鉄男は、さとるの母親に怯え、内向的で不安定な姿に疑問を抱く。母娘三人の関係から次第に見えてくる戦慄の情景が鮮明になる。母娘の葛藤の日々、さとると鉄男の恋の行方、次第に明らかになる家族の闇、先が見えない展開だけに心がざわつく、思わぬ結末が待っているが、少し救われた気持ちになった。恋愛の先にある家族の濃い闇を描いた傑作長編、さすが山本文緒の作品。母親の際立った個性や生き方には圧倒された。彼女の生き方には、どうしてという疑問が残る。2025/04/23

えりこんぐ

69
こわい...壮絶な家族。一気読み!凄かったです(゚ω゚) 厳格な母親に支配される24歳の娘。歪んだ母娘に巻き込まれていく大学生の鉄男。狂気を描きながら、なぜこんなに淡々とした落ち着きのある文章になるのだろう。山本さんは癖になる。隠されたミステリ的な展開もあり、ただの毒親ものではない凄さだった。悪いのは誰なのか分からなくなってくる。2017/10/29

たかこ

58
読友さんのレビューから。かなりえぐい…、消耗した。章の最初にあるカウンセラーとの対話が誰が話しているのかわからず、途中で気がついてまた最初からこの部分だけ読み返すと最初から存在していたことがわかる。いびつな家族、親に苦しい状況に追い込まれた子の生きづらさ、呪縛、犯罪…。今から30年前の話で、今ほど毒親とか親ガチャという概念は浸透していなかったと思うけれど、実際にはいつの時代にもあった。毒親は自分のことは毒親だとは思っていない。ただ愛情をかけただけなのに…。親側の視点に気がついてしまった…闇だわ…。2025/02/17

あつひめ

31
登場人物の中でだれが一番弱いんだろう・・・。もしかするとけん制するようにキャンキャン吠えまくる子犬のような母親かもしれない。あなたたちはいいわよね・・・呪いの言葉のように呟いているけど、この呪いにとらわれてしまったのは母親かもしれない。何も見えなくなってしまった。鉄男の揺れる心・・・心が揺れるというより下半身が揺れる。燃える炎の中でそれぞれが何を思っただろう。病院での母の相変わらずの毒舌ぶり・・・愛情の裏返しのような気もするけど・・・ちょっと深読みしすぎかな???2010/12/15

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