出版社内容情報
銀座の高級クラブのパトロンは誰なのか。仮面の下の本当の貌は? 知られざる聖域・銀行と金融界の闇を鋭く描く企業推理小説の傑作。
内容説明
高速料金所の職員、井川正治郎は高級車の運転席に元愛人の和子の姿を見た。助手席には、かつてのライバルで東洋商産社長の高柳秀夫が乗っていた。井川は銀座の高級クラブのママになっている和子との再会を試みるが、まったく相手にされない。落胆する井川に近づく奇妙な男とは?夜の銀座を舞台に事態は急テンポで展開する。商社トップ人事をめぐる暗闘隠し融資による会社乗っ取り。経済界の闇を抉る企業ミステリーの傑作。
著者等紹介
松本清張[マツモトセイチョウ]
1909(明治42)年12月、福岡県企救郡板櫃村(現・北九州市)に生れる。53(昭和28)年「或る『小倉日記』伝」で第28回芥川賞を受賞。56年、それまで勤めていた朝日新聞社広告部を退職し、作家生活に入る。63年「日本の黒い霧」などの業績により第6回日本ジャーナリスト会議賞受賞。67年第1回吉川英治文学賞受賞。70年第18回菊池寛賞、90年朝日賞受賞。92(平成4)年8月死去。98年、北九州市に「松本清張記念館」が開館(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Aya Murakami
83
10年以上前にどこかのリアル書店で購入した本。 まだ上巻ですが長かった。そして重厚だった。 料金所のおっちゃん…。ああ…、ETCが導入される前は大活躍でしたね。懐かしい。 そんな料金所のおっちゃんが元愛人の周りを野良犬のごとく嗅ぎまわる所から物語は始まります。しかも嗅ぎまわる人間の数がだんだん増えていくので話はどんどん複雑に…。 オビで料金所のおっちゃんの元ライバル高柳が殺されるのは知っていたのですが、まさかの人物も殺されちゃいます。犯人だれだろうなーと下巻に。2024/03/02
だい
8
300ページまでは下地ならし、それから事が動く!それも急に。2018/11/06
無添
5
銀座の高級クラブのパトロンは誰なのか。仮面の下の本当の貌は? 知られざる聖域・銀行と金融界の闇2019/03/09
y_e_d
5
伏線が巧妙過ぎて失敗している(と自分が勝手に思っている)作品もあるけど、これは読んでいて楽しい。主な登場人物が5~6人あるが、誰もが印象が強くてどんどん先を読んでしまう。誇張がなく簡潔で、歯切れの良い筆致はさすが。弱い立場の一社会人が巨悪に挑む構図はやはり面白い。そして下巻へ。2018/10/20
クロッチ
4
出だしから想像すると高速道路の料金所で働く人が事件を解明すると思っていたが、なかなか出てこないで結局出てきたのは下巻になってから。こういうところを含めても松本清張作品は面白いなあ。2017/11/16