文春文庫
月ノ浦惣庄公事置書

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  • サイズ 文庫判/ページ数 324p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167679828
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

室町時代の末。近江の湖北地方。隣村との土地をめぐる争いに公事(裁判)で決着をつけるべく京に上った月ノ浦惣庄の村民たち。領主や山門に足繁く通い、袖の下に銭をばらまき、勝訴に持ち込んだはずが思わぬ横やりが。背後には幼くして村を逐われた男の怨念が渦巻いていた―第十回松本清張賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ27

8
読メのお陰で、好きなタイプに又巡り合えた。ボリュームを超え背後に土色の室町後期が広がる。舞台は琵琶湖周辺、村の衆、代官、坊主が入り乱れる。更に夜這いという風習、公事沙汰のお定め、逃散、磔等など、歴史でしかよく知らない状況が錯綜。ラストは血しぶき散る中で赤子が無事に産まれ、新たなる湖東の景色が広がって行く予感。 源左衛門の強烈なあく、明らかにされる出生。不本意ながら側女となり、心身ともに突き上げられるおんな・たき。右近、幸太夫等などの日々の生活。 綴られる文が性を絡め、活き活きとして命が迸っている。2012/12/29

パキ

5
登場人物の苦悩がよく伝わってくる。ハッピーエンドなのか、どうなのか。読み応えがあった、良作だった。2017/12/02

山内正

4
隣村から襲撃を受け戦っていたが 我が村の重役が負傷してやっと追い払うが村の重役が一人減り急ぎ若い新次郎を決め急ぎ寺の住職に調停を 頼むが断られ仕方なく京の大沢家に 直訴するが 預かり扱いとなり 過去の事例はないか何故こうなったか?と問われ 先が見えない 今も高浦村から攻撃を受けている 新次郎は窮状が何故届かないのが 武士の仕組みに歯痒く思う! 滋賀の山の中の諍いに理不尽さに 若い村人は己の行先を恨む!2018/06/29

Hisashi Tokunaga

3
二弁フロンティア2013・12号 この一冊のおすすめ本。古文書「菅浦文書」中の「菅浦惣庄合戦注記」史実をベースに、室町末期琵琶湖奥の村に起こった公事事件。村と村との諍いが、いかに大変な手続きで解決に至ったか。その村に住まう人々の合意形成や騒動がどのように行われたか。二弁の解説の一部は「・・当時の裁判(公事)制度や自治的な性格、領主や寺(山門)などの権力関係、さらにその中のキーマンは誰なのか、誰に何を目的として袖の下を渡すのか、など・・領主が弁済に代えて、代官職を譲渡するなど・・書証は極めて有力な証拠・・」2013/12/17

ichi

3
室町時代、農村同士の争いを描いた物語ですが、題材が地味な割にはエンターテイメント性があり、とても楽しく読まさせてもらいました。2012/09/17

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