内容説明
十七歳の少年に妻を凌辱され殺された男、真鍋。警察官である夫の家庭内暴力に苦しみ、家を飛び出した女、祐子。やがて二人は同じ職場で働くことになる。ある日、少年の出所を知った真鍋は復讐を決意。一方、祐子にも夫の執拗な追跡の手が迫っていた。少年犯罪と復讐権、さらに家族のあり方を問う長編。
著者等紹介
佐々木譲[ササキジョウ]
1950(昭和25)年、北海道生まれ。広告代理店、自動車メーカー勤務を経て、79年に『鉄騎兵、跳んだ』でオール讀物新人賞受賞。89年、『エトロフ発緊急電』で日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。2002年、『武揚伝』で新田次郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
106
およそ15年ぶりくらいの再読でした。初めて読んだトキも夢中になってページを捲った記憶がありますが、今回も前回同様、どんどんとページを捲り続け、気がつけばイッキ読みにて読了でした。未成年に妻子を殺された「真鍋」と刑事の夫の暴力から逃げてきた「祐子」と息子は奇しくも同じ飯場で働くコトに。そんな二人にこれまた奇しくもありえない二人がユニットを組み、「真鍋」らを追いつめていきます。500ページ超ながら、さすがは佐々木譲先生の作風はとても読みやすく、緊張感あるサスペンスな作風をアッという間に読了させてくれました。2024/01/21
いこ
99
怖くて怖くて、まるで逃げるように夢中で読んだ。もう夜中だというのに、先が気になって眠れずまた起き出して読んだ。彼は、彼女は一体どうなってしまうのだろう?川尻という17歳の少年に妻子を殺された真鍋。7年間で出所してきた川尻に復讐しようとしたが失敗。逆に追われる立場になってしまう。一方、警察官である夫の暴力に耐えかねて、5歳の息子を連れて家出した祐子。夫は警察の立場を利用し、執拗に追ってくる。相手を探し出す為なら、殺人も厭わない追手二人と、それから逃げる二人。後半は怖さ最高潮で、今度は読書速度が失速。怖い~。2023/12/15
ゆかーん
69
「どうか、2人が幸せな結末を迎えられますように」と祈り続けながら、夢中になって読んでしまいました。夫の暴力に苦しむ女性と、見ず知らずの少年に妻子を凌辱され殺された男性。何の接点もなかった2人が、自殺志願者の命を助け、知り合いになったところで事件は一気に盛り上がっていきます。互いが背負う心の傷を補うかのように「ユニット」を組み、追ってくる夫と少年から逃れ続ける二人。被害者と加害者の一触即発のクライマックスに、最後まで気の休まる時がありませんでしたが、最終的に2人が無事に保護されホッとしました。2017/03/23
キムチ
68
久しぶりにドキドキ疾走で読ませられた。数時間、次が気になり、仕事と交互に読み切った。残虐な事件とDV・・ユニットだからこの組み合わせがどう絡んでいくかと推して行く。読み易い訳が善悪が明確な事。悪側の男2人のノワールぶりが極めつけ。一方工務店主の懐の広さと温もり。狭間でもがき続ける男女。ラストの納め方を出来すぎと言えなくもないだろうし、偶然が作り物っていう事もあろうけれども、読後の爽快感ったらない!2021/07/22
GAKU
59
近所の古書店でたまたま見つけた1冊。あらすじを読んで面白そうだったので、購入しました。読み始めたら一気読みでした。面白かったです。以下アマゾンの紹介文。 『十七歳の少年に妻を凌辱され殺された男、真鍋。警察官である夫の家庭内暴力に苦しみ、家を飛び出した女、祐子。やがて二人は同じ職場で働くことになる。ある日、少年の出所を知った真鍋は復讐を決意。一方、祐子にも夫の執拗な追跡の手が迫っていた。少年犯罪と復讐権、さらに家族のあり方を問う長編。』 2020/07/20
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