内容説明
1980年代以降の情報誌文化を創出し、今なお時代の先端を走り続けるリクルート。なぜユニークな人材を続々と輩出できるのか。リクルート事件やダイエーによる買収など、幾多の危機をどう乗り越えたのか。同社幹部としてそのすべてを見届けた著者が明かす“奇跡の企業”の秘密。これはサラリーマンの教科書だ。
目次
プロローグ 株主総会で社長退陣を要求
第1章 アルバイトが動かす会社
第2章 無敵の営業
第3章 情報誌は市場である
第4章 リクルートビジネススクール
第5章 非合理を反面教師にした経営
第6章 通信自由化の罠
第7章 スキャンダル克服
第8章 ダイエーショック
第9章 リクルートマンシップにかけて
エピローグ 河野栄子社長への手紙
著者等紹介
藤原和博[フジハラカズヒロ]
1955年生まれ。78年東京大学経済学部卒業、リクルートに入社。いきなり2年連続トップセールスとなる。住宅情報誌『ハウジング』の開発にかかわったのち、広報課長、営業本部長などとしてリクルートの躍進を支える一人となる。96年に同社初のフェロー(客員社員)に就任して以降、「教育」に深い関心を抱く。03年、東京都初の民間人校長として杉並区立和田中学校校長に就任。「よのなか科」や「地域本部」の開設をはじめとするユニークな試みが全国的な注目を集めている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゐづる
21
リクルートとはいかなる会社なのか、さる事情により知らなければいけなかったので手に取りました。江副浩正さんの「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」に尽きるリクルートの社風。それによって形づくられたリクルートマンシップ。あの有名なリクルート事件やダイエーによる買収劇の内幕など、一寸ハラハラしますが、リクルートの社風はビクともしなかったところを見ると、それが最大の資産であると認められたということですね。筆者がリクルートで活躍した時期が、今の私ぐらいの年齢ということで、若干凹みました。2015/04/26
ザビ
8
INS事業(インターネット回線リセール)の失敗はかなり貴重な内容。リクルート社はこの新事業を通してコモンキャリア(今のソフトバンクのような)を目指したが、政財界の圧力や会社のノウハウ不足から頓挫。失敗が見えていながら撤退まで10年以上要したのは、莫大な人と予算を投下したから退くにひけなかった、らしい。江副さんも「IT技術が紙媒体にとって変わることの危機感」があったと別著で述べている。世の中に役に立つ理念よりも、会社の影響力を高めようと目的ありきになったのが、大きな経営判断を鈍らせた要因のように感じた。2021/04/26
Hiro
4
リクルートの黄金時代を駆け抜けた著者によるアツい記録。世の中で行動を起こし続ける著者の生き様も伝わってくる。ただ、不正義を犯した江副氏事件よりも、経営権がダイエーに移ったことに猛反発して断固自治的要求をする姿とか、社員の身にして株主総会で社長を糾弾するのとか、違和感を持ったのは自分だけだろうか?そもそも戦うのそこか?みたいな。2021/12/23
しゅうと
3
再読。藤原氏から見たリクルート。2021/02/17
なお
3
第2章を読むと元気になる。2015/02/05