内容説明
ここはどこ?何のために?世界中から集められ、謎の“学校”で奇妙な犯人当てクイズを課される〈ぼくら〉。やがてひとりの新入生が〈学校〉にひそむ“邪悪なモノ”を目覚めさせたとき、共同体を悲劇が襲う―。驚愕の結末と周到な伏線とに、読後、感嘆の吐息を漏らさない者はいないだろう。傑作ミステリー。
著者等紹介
西澤保彦[ニシザワヤスヒコ]
1960年、高知県生まれ。米エカード大卒。高知大学助手などをへて、95年、『解体諸因』でデビュー。SF的な設定と本格ミステリのロジックとを融合させた独特の作品世界を構築する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
354
事件が発生するまでがやや退屈で、発生後はスピーディーな展開。『人格転移の殺人』と似た物語構成に感じた。事件発生迄に頁の半分以上を費やしているのも同じか。ラストが重たい感じになっているのが大きく違う点であり、そこが好きなところでもある。前半の長さはその布石でもあるわけだが、残念ながらそれほど効果的ではない。後半にいくほど、犯人暴露後から凄く面白くなって盛り上がった珍しい作品。ミステリ面では、某有名作品とメイントリックが被っているので、知らずに二作続けて読んだら、結構あっさり気付くかもしれない。2017/01/06
やっさん
171
★★★☆ 第3章の「見知らぬ中年の男女~」のくだりでピンときて、トリックは読めた。これだけじゃなく意外と不自然な表現は多かったかな。実名とニックネームが混乱しそうだったのでメモして読み進めた。2018/12/01
🐾Yoko Omoto🐾
151
読了後に身悶えしてしまったほど面白かった。俗世と全く隔絶された環境下にある「学校(ファシリティ)」に理由も知らされず入所することになった「御子神衛」。同じく理由が定かでないまま生活を送る同年代の5人の少年少女たちとこの施設の実体を推理するマモルだが、釈然とした解答を見つけられないまま仲間が次々と殺されてゆく。とにかく完璧とも言える伏線に読了後は圧倒されっぱなしだった。オチは某有名作品と同系なのだが、あくまでもトリック自体は別物であるところが素晴らしく、残酷で刹那的な物悲しい真相にも瞠目させられた。傑作。2014/06/16
nobby
113
文句のつけようがなく面白かった。序盤のマモル達が過ごす<学校>が意味する所を相互に推理していく様子も楽しめる。探偵・スパイ養成なんて笑えるし、個人的にはヴァーチャル説が好み♪そこから中盤以降の怒濤の急展開にはビックリの一気読み。その結末には全く予想出来ず、なるほど某有名作品と同じ仕掛けなのだが全く色の違うアプローチが見事!せつないけれど見事に伏線つながる。転校生との対面の違和感、確かに半端ないだろう…2014/11/25
青乃108号
102
最初のうちは良かった。面白く読んでいた。いや、中盤までは読ませるものはあったと言っておこう。この先は、いったいどのようにして驚かせてくれるのかしらと期待さえして。しかし殺人の発生あたりから物語は失速、俺の興味も急にしぼんでしまった。なんだかわからない物を読まされて、前半が良かっただけに失望はおおきく、ラストにいたっては怒りのあまり本をぶん投げてしまい、しまった図書館本だったと慌てて拾い上げて。もう、こんな夜遅くに俺はなにやってんだとぶつくさひとしきり文句を言ったあと、睡眠薬を貪ってふて寝した。全くもう。2021/11/19
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