出版社内容情報
11人を乗せた船は、クジラに真下から突き上げられた──。江戸時代の勇壮な鯨漁師たちの心意気と誇りを今に伝える傑作時代小説。
内容説明
土佐国室戸岬で威勢を誇った鯨組。深い智恵と高度な技を駆使して鯨を仕留める漁師集団である。嘉永六年、沖をはしる黒船を発見した鯨組に幕府から召し出しの話が舞い込む。その栄誉の前に、仲間の命を奪った巨大マッコウクジラとの死闘が待っていた―海の男たちの心意気、命がけの連携プレーに酔う迫力の長編時代小説。
著者等紹介
山本一力[ヤマモトイチリキ]
1948年、高知県生まれ。都立世田谷工業高等学校電子科卒業。旅行代理店、広告制作会社、コピーライター、航空会社関連の商社勤務などを経て、97年「蒼龍」で第77回オール讀物新人賞を受賞。2002年『あかね空』で第126回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
124
山本一力さん、市井で懸命に生きる人たちの息吹が生き生きと感じますね、今回は、土佐室戸でくじらを獲る漁師を扱った作品。鯨と漁師の死闘を予想していたが、黒船襲来も絡めて土佐藩と幕府にまで話は絡んでくるが、武士道精神を持つ海の男たちの心意気と意志を持たせたマッコウクジラ(黒船)との死闘と友情、迫力があり意外性もあり楽しく読めました。 2014/11/06
シュラフ
13
江戸時代の土佐のくじら漁の物語。捕鯨船もなかった江戸時代にどうやって くじら をとっていたのか不思議だったが、多くの船でくじらを浅瀬に追い込んで最後には銛で仕留めていたということで疑問が氷解。また、本論からは逸れるが、土佐藩が江戸屋敷とのやりとりで伝書鳩を用いていたというのは本当なのだろうか。それにしても、一力さん少しやりすぎではないでしょうか(笑)。漁師たちと くじら が心かよわせるなんてことがありえるのでしょうか。もっとも私自身こういう展開は嫌いでないので楽しく読めたのですが・・・2014/04/27
和之介
9
仲間の命が、巨大マッコウクジラに奪われてしまった。その巨大マッコウクジラは、黒船と呼ばれ仇敵となる。鯨と漁師の戦いの始まりである。だが鯨組との死闘をするもその鯨組に助けられ命を救われる黒船。そして今度は助けた黒船に助けられる漁師達、仇敵がお互いを助けあい良い話しである。だけど荒海に鯨がやって来て恩返しってあり得ないでしょ一力さんと思わせられるのだが。前半は、話しの流れがいまいちだったが黒船を助けるところから面白くいい纏め方だったかな。2014/06/29
ta20
8
鯨との死闘を予想していましたが、どちらかというと武士の物語でしょうか。黒船を通じて、武士道を持つ漁師とマッコウクジラが出くわした感じでしょうか。意外性もあり楽しく読めました。2014/02/05
Akira Katuta
7
なんだか凄い読むのに時間が掛かってしまった。捕鯨に対しての欧米からのバッシングを考えながら「否、捕鯨は日本の文化なんだから云々」なんて事を想いながら読んでいたわけではない。ネタバレになるから詳しくは書かないけど、ちょっとファンタジー要素が強すぎたかなって内容だった。捕鯨シーンはちょっとモンハンを思い出したり。要約すると鯨は旨い。2014/10/20