内容説明
もし路傍の私に、氏が声をかけてくださらなかったら、私はおそらく第三作目を書くことをやめ、作家になっていなかったであろう―司馬が永く徳とし続けた海音寺潮五郎との、二昼夜に及ぶ対談「日本歴史を点検する」をはじめ、江藤淳、大江健三郎、子母澤寛らが登場。歴史の転換期、おもに幕末を透徹したまなざしで振り返る。
目次
日本歴史を点検する(海音寺潮五郎)
幕末よもやま(子母澤寛)
近世人にとっての「奉公」(朝尾直弘)
織田信長・勝海舟・田中角栄(江藤淳)
日本人の行動の美学(奈良本辰也)
吉田松陰の資質と認識(橋川文三)
坂本龍馬の魅力(芳賀徹)
師弟の風景(大江健三郎)
著者等紹介
司馬遼太郎[シバリョウタロウ]
大正12(1923)年、大阪市に生れる。大阪外国語学校蒙古語科卒業。昭和35年、「梟の城」で第42回直木賞受賞。41年、「竜馬がゆく」「国盗り物語」で菊池寛賞受賞。47年、「世に棲む日日」を中心にした作家活動で吉川英治文学賞受賞。51年、日本芸術院恩賜賞受賞。56年、日本芸術院会員。57年、「ひとびとの跫音」で読売文学賞受賞。58年、「歴史小説の革新」についての功績で朝日賞受賞。59年、「街道をゆく“南蛮のみち1”」で日本文学大賞受賞。62年、「ロシアについて」で読売文学賞受賞。63年、「韃靼疾風録」で大佛次郎賞受賞。平成3年、文化功労者。平成5年、文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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時代
12
司馬さん対談集第3弾。主に幕末明治にかけての事など。海音寺潮五郎氏と大江健三郎氏とのやり取りが印象的な一冊◯2020/04/08
aponchan
10
司馬遼太郎氏乱読のうちの一冊。このシリーズは3冊目の読了だが、対談者両者の知識レベルが高く、面白いが難しい。これからも徐々に読んで行きたいシリーズ。2019/09/07
VAN
4
作家や歴史学者、評論家など幅広い専門家との対談集。特に後半部分はタイトルにもあるように日本の歴史を動かした人物に焦点をあてて、対談が進められていきます。司馬さんの作品には直接的には表現されていない、歴史上の人物や行動の背景など、作品の裏側にある人物像や背景などがたくさん語られていて、作品への理解を深めるのにとても役立つ内容だと思います。2020/09/19
masa
3
この人たちは歴史の細かいところまですぐに対応できるレベルまで過去の人達を把握しているすごい人たちばかり。細かすぎてついていけない部分もあった。2021/10/06
老齢症状進行中
2
最近読んだ松岡正剛さんの本で情報文化が「わかりやすさ」に流れている、バックヤードの蓄積がおざなりに、という指摘にこの本の解説の関川さんのタイトル「教養の厚い岩盤」がなんとなく重なりました。薄っぺらな社会になってしまったような・・2024/04/06
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