文春文庫
結婚のアマチュア

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  • サイズ 文庫判/ページ数 481p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167661984
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

結婚30周年を祝うパーティが開かれた晩、「それなりに楽しい結婚生活だったわよね」と振り返るポリーンに、「地獄だった」と夫のマイケルはつぶやく。それはいつもの夫婦喧嘩のはずだったのだが―どこにでもいる夫婦の60年間を、円熟味あふれる筆致で巧みに描く。しみじみおかしくてほろ苦い“身につまされる”小説。

著者等紹介

タイラー,アン[タイラー,アン][Tyler,Anne]
1941年、ミネソタ州生れ。コロンビア大学大学院でロシア文学研究に専念したのち、図書館勤務をへて64年より小説を書きはじめる。89年に「ブリージング・レッスン」でピュリツァー賞受賞。「歳月のはしご」はタイム誌95年度フィクション・ベスト5のひとつに選ばれた。2004年に発表した『結婚のアマチュア』も、全米ベストセラー・リスト入りを果たしている

中野恵津子[ナカノエツコ]
1944年、新潟市生れ。国際基督教大学卒業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

64
「父と母は、それほど『夫婦』だった!それほど自分たちのことしか頭になかった」ありふれた一組の夫婦の出会いから終わりまで。章ごとに数年の間があり、移りゆくアメリカの時代背景と共に、それぞれ別々の家族の視点で淡々と描かれる。寡黙な夫と勝気な妻、どちらもいい人間なのに、同じ物事をこんなにも別の捉え方をしている。アマチュアのパレードに取り残された二人は、結婚すべきでなかったのか?「そうは思うが、わからない」時にユーモアを交えながらしみじみと綴られる後悔、反省、そして希望。ほろ苦さと爽やかさの入り混じった読後感。2019/04/04

りつこ

37
アンタイラー再読三冊目。結婚はゴールではないし恋愛感情も永遠に続くわけではないので、長い結婚生活の間にお互いの嫌なところが目に付いたり喧嘩の時に急所を突いてしまったり…特にポーリーンのように直情的な性格だと喧嘩の絶える時がないわけで。そんな日々を「それなりに幸せ」と思うか「地獄」と思うか…。アンタイラーは本当にその人のキラッと光るところを描くのがうまいからなんどかぐっときて泣いてしまった。後半のジョージの語りがとてもいい。よかったー。2017/11/21

安南

16
一気に読みました。上手いなぁ。マイケルとポーリーン夫婦の60年に及ぶ悲喜交々を描いた、ほろ苦物語。喧嘩ばかりの夫婦の歴史にも、ふと、美しい時間がきらめいて。最後はホロリとさせられました。雪かきを済ませて帰るマイケルに赤いミトンを振って見送るポーリーン。その姿がバックミラーに映るシーンが、愛おしく、切ない。2013/02/19

よし

14
読んでいくにつれ、二人がいとおしくなってしまった。二人の出会いは、とてもロマンにあふれ、魅力的で理想のカップル。「相思相愛」だった。。・・だが、結婚30周年パーティーで、「それなりに楽しい結婚生活だったね。」と振り返る妻ポーリーンに、「地獄だった。」つぶやく夫マイケル。あまりにも落差がありすぎる。この先、二人はどうなっていくのか。子どもたちから見れば、喧嘩ばかり。でも、共になくてはならない二人!ラストのポーリーンに会いに行くマイケルは幸福に満ちている。哀しくて切ないが、とても美しい風景に胸が一杯になる。2016/05/03

ふーてー

12
出会って結婚し、夫婦になって、死が二人を分かつまで。夫マイケルと妻ポーリーンのお互いへのイライラ不満が9割、感謝や魅力を感じるときが1割でできている。家庭内のあるあるが描かれていて、夫婦も親子も他人なんだなぁと思う。末永くつながっているには、延々と努力が続くんだなと苦しくなったのは、自分の夫婦というものへの幻想のせいだろうか。せめて二人が出会ったときも一人称で書いてほしかった。2021/01/16

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