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文春文庫
ハリウッド・ノクターン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 326p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167661182
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

現在、最重要のミステリ作家は?今もっとも危険なアメリカ作家は?答えはひとつ―ジェイムズ・エルロイ、“アメリカ文学界の狂犬”。抑えた叙情、鮮烈な暴力、切迫した疾走感、とち狂ったグルーヴ、悪党どもの誇りと破滅。“狂犬”の核が凝縮された七つの物語。ファンは無論、エルロイ未体験者にも最適の初短篇集。

著者等紹介

エルロイ,ジェイムズ[エルロイ,ジェイムズ][Ellroy,James]
1948年、ロサンジェルス生れ。10歳のとき、実母を何者かに殺害され、以来、犯罪者同然の生活を送る。1950年代のロサンジェルスの犯罪と腐敗を描く「暗黒のLA四部作」で、その名声を不動とする

田村義進[タムラヨシノブ]
1950(昭和25)年、大阪市生れ。金沢大学法文学部中退。英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キジネコ

49
孟子先生曰く、人間は生まれつき善である、らしい。他者の苦境を見過ごせなず、不正を羞恥し、謙譲を常とし善悪を分別する・・と、どっかで私も「そうありたい」と思わないでもない。しかし・・本書には、下衆、卑怯者、嘘つき、恥知らず、ろくでなし、くそったれ・・失礼(^^ゞ 性善説に真っ向逆らう輩しか出てきません。本能に直結する欲望に、文字通り自他の身を削り、短くとも太く生きようとする人間の一極が描かれます。しかし本性の悪を、描くことで善を炙り出す見事な短編には、愛が溢れておりました。暫くエルロイに耽溺致したい、と。2015/03/28

藤月はな(灯れ松明の火)

30
「エルロイ初心者におすすめ」という紹介だけど、それは嘘だ。なぜならロサンジェルス4部作で登場したリー、バズが「あの時」を語るからだ。そして彼らから語られる「あの時」はシリーズを読破した者なら感慨はより、愛おしく、切なくなるだろう。もう、帰らない時、愛すべきロクデナシ共に人々に乾杯。もし、エルロイ初心者が読むなら、FARGO的偽装誘拐の意外な顛末を描く『ディック・コンティーノ・ブルース』を読むのをオススメしたい。更に犬好きならば、「甘い汁」もいいかな。2016/01/05

bapaksejahtera

16
LA四部作の執筆と並行して発表された短編集らしく、同シリーズ登場の人物による番外編の趣きがあるという。但し①過去から②ディック・コンティーノ・ブルース③ハイ・ダークタウン④アクスミンスター6-400⑤おまえを失ってから⑥甘い汁⑦センチメンタル・ナンバーのうち②が一番長く中編とも言える。7つの作品とも有名な企業家やギャングが実名で登場するが、②は実在の歌手から話を聞いて作った作品との事だが真偽は不明。短編ゆえノワールの雰囲気は作りきれず粗暴さだけが目立つ。金持ちの遺産を相続した犬の面倒を見る⑥が一番面白い。2023/02/18

バ度ホワイト

16
再読。ハマると抜け出せない暗黒のLA四部作の番外編。この短編はクスッと笑えるところがあって楽しい。一番好きな「ディック・コンティーノ・ブルース」個性豊かな女子4人が銃器いっぱい装備しての籠城作戦に笑う。「甘い汁」主人公の股ぐらに鼻先を突っ込む犬のバスコーが可愛いすぎ。「アクスミンスター6-400」誘拐されたジェーンの行動にニヤリ。車名がいっぱい出てきて画像検索しまくった。2018/08/30

ツカモトカネユキ

6
1994年刊行。1997訳刊行。七編の短編集。まず、50年代のアコーディオン弾きを主人公に、お得意のグロく、えぐい物語。次は、L.A.四部作で活躍した人物が登場。リー、バズの活躍がみられて嬉しい反面、没することを知っているだけに物悲しくもあります。リーの話では、元気でまともな頃が描かれ、ダリア事件のときより生き生きしてます。バズの働きは変わらず破滅的。その後感があるので、パラレルワールドなのでしょう。執筆されたのは、四部作最中なので、思い入れがあった登場人物の活躍を本編以外に描きたかったのだと思いました。2021/12/30

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