内容説明
苛烈な日本海海戦を戦い抜いた三郎だが、安息のときは与えられなかった。戦艦「三笠」の火災で獅子奮迅の救難活動を演じた彼は、密命を帯びて特殊な訓練を積むこととなった…。戦乱の世界を駆ける“海のジェントルマン”たる青年軍人の姿に託して、“イギリス生まれの日本人”C・W・ニコルが謳いあげる二つの祖国への賛歌。
著者等紹介
ニコル,C.W.[ニコル,C.W.][Nicol,C.W.]
1940年、イギリス、南ウェールズ生まれ。カナダ北極地方の野生生物調査を皮切りに、世界各国でさまざまな環境保護活動に携わる。62年に初来日し、78年より日本に定住、95年には日本国籍を取得する
村上博基[ムラカミヒロキ]
1936(昭和11)年生まれ。東京外国語大学ドイツ語学科卒業。英米文学翻訳家
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感想・レビュー
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James Hayashi
16
下巻に入り戦争の描写は殆どないが、鯨狩りや鳥獣狩り、海軍士官でありながらスパイもどきの侵入や飛び道具を使わない原始的な素手での戦いなど盛り沢山。英国生まれの著者の筆つかい、女性とのロマンスはジェームスボンドを思い起こさせた。帯にある日本海海戦を期待して読むと外される。日露戦争を交えたアドベンチャー、エンターテイメント小説として読むのが適当と思われる。三郎が第一次世界大戦で活躍する続編、「遭敵海域」「特務艦隊」も読んでみたい。2015/06/07
イロハニ
14
上下巻読了。『勇魚』の主人公の四人の子の末息子の活劇。欧米系の混血児であり生まれは1881(明治14頃か。父の移住したカナダより14才で来日、以後親族らの養育に従い帝国海軍軍人となり日本海海戦さらに隠密活動に従事する。舞台からして壮大な血湧き肉踊る展開を期待させ事実プロットもそれを踏んでいるのだが今一迫力に欠けた。それは本作の大道具である造船所や軍艦、将校の社交倶楽部等の描写の弱さ、主人公らの浅い無敵感の為と思えた。反面格闘シーンには良き映像感を見た。往年の良き重厚長大さを描破し切れていぬのが残念だった。2026/07/14
七月
4
訳者あとがきから絶対ではないけど「勇魚」を先に読むべきだったのかなーと。本作部分は三郎というキャラクターを通して日英同盟時代の輝かしい日々を描いた、割と順風満帆なフェーズ。次作の方が戦闘とかあるのかな。三郎が超人になっていく過程が面白かった。必要なんだろうけど艶表現が多いのがちょっと苦手だった。2018/03/01
あきひと
2
大変興味深く読めました。ニコルさんの取材の量/質とも素晴らしいのでしょうが、後書きから理由も分かりました。 明治時代の日英同盟と帝国海軍のみならず個人的な結び付きを織り交ぜ、肉厚な小説でした。 次回作を探す必要が出て来ました。2016/11/18
siopop
2
下巻では主人公の三郎がだんだんと暗い道に踏み込んで行くようで少し不安になりながら読んだのですが、底抜けに明るいウェールズ人の作者がそんな暗い小説を書く訳もなく。途中からは全く安心して読める、海洋冒険小説になっていました。 前作の勇魚でもこの作品でも絵描きが重要な登場人物になって書かれているのですが、作者は絵心があるのだろうか?僕にはあまりなく写生などもして見たいと思いつつ出来そうもない自分が悲しいです。 お礼にと言いながらその場で扇子にスラスラと何かを描けたら、なんて素晴らしい事だろう!2012/02/01




