内容説明
切なくも騒々しく、温かい街から戻ってみれば、異和感のなかに生きる私がいた。自分の存在そのものが異物になってしまったようだった―。現在の東京を象徴する両極、銭湯とファミリーレストランを周遊する暮らしから芽生えた思いを、鋭い観察眼と端正な文体で描いた、大宅賞受賞の俊英による39の名エッセイ。
目次
私がテーブルを買う時
燃えるゴミ
パンクは態度である
一〇〇円の重み
大女
The Net
新聞の正しい読み方
偽装結婚
癒しのまやかし
ああ、胃炎〔ほか〕
著者等紹介
星野博美[ホシノヒロミ]
1966年、東京都に生まれる。大学在学中の86年、香港の中文大学に一年間留学。卒業後、OL、写真家・橋口譲二氏のアシスタントを経て、94年独立。97年の中国への返還をはさむ二年間、ふたたび香港に暮らし、このときの経験をもとに『転がる香港に苔は生えない』を上梓。2001年、同書により第32回大宅壮一ノンフィクション賞を受けた
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