出版社内容情報
14歳の息子Aが、神戸連続児童殺傷事件の犯人「酒鬼薔薇聖斗」だったとは。Aとの暮らし、事件前後の姿を両親が綴った悔恨の手記
担当編集者より
十四歳の息子「少年A」が、神戸連続児童殺傷事件の犯人「酒鬼薔薇聖斗」だったとは。逮捕当日まで、我が子の犯行を想像すらできなかった両親が、悔恨の涙とともに綴った手記。私たち親は、どこで、何を、間違えたのか? 十四年にわたるAとの暮しと、事件前後の家族の姿、心情を記した衝撃のベストセラー、ついに文庫化。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちはや@灯れ松明の火
70
人の心を理解できるなんて思い上がりに過ぎない。ただ、理解したつもりになっていただけだ。子どもへの愛情と信頼が目を雲らせて見落としてきた無数の危険信号、他人事だった少年少女の凄惨な事件がすぐ傍で行われていた衝撃。何故見抜けなかったのかと外野から謗ることは容易い。見慣れた表情で塗り隠された歪んだ憎悪。どこから戻れなくなっていたのか当事者にならなければ気付かない。どこでどうすればよかったのか当事者になっても解らない。血の絆は責任であり未来永劫消せない呪いだ。その重みを、本を読んだだけで総て理解できる筈もない。 2015/09/22
里季
68
いつかは読んでみたいと気になっていた。あのおぞましい神戸の事件。読み進めるうちにとても重苦しい気分になった。被害者とその家族の苦しみはもちろんのことだが、加害者家族がどんな思いでどんなふうに取り調べに応じたのかが、よくわかった。こちらまで精神的に追い詰められていくようで、息が詰まった。これ以上の感想は今は述べられない。2014/05/31
choco
60
親の気持ち子知らず。 こどもの気持ち親知らず。 ズシンと重い育児本。 何がどう間違っていたのか、 なんてわからない。2016/06/25
Willie the Wildcat
57
こんなはずではなかった・・・。心の葛藤は計り知れず、問われ続ける親の責任。誹謗中傷には、先入観や偏見も含まれるものと推察。特に、弟2人の心の傷が気になるところ。一方、友人への暴力、万引き、猫虐待、タバコに小刀など。子供からの警告は様々な形で出ているのも事実。(結果論で語るのも僭越だが)少なからず親の責任は問われても仕方がないのかもしれない。難しいのが責任の範囲と今後。言葉と心が繋がっていないと感じる違和感。あれから17年、心の真実と変化はどうなかったのだろうか・・・。2014/08/20
mazda
49
神戸連続児童殺傷事件、いわゆる酒鬼薔薇聖斗の両親の手記。当事者の手記なので一方向でしかないが、育て方が過保護だったような節はない。なぜこうなったのか、この本を読む限りは全く分からない。ただ、小さい頃に厳しく育てられ過ぎて、それにより母を嫌いになったようなことは書いていたが、育てる方としては当然厳しくするだろう、と思うし…。ただ、ちょっとしたことでも執念深く追い詰めたり、性格的に問題があったのは事実のよう。本人が事の重大さに気付き、被害者家族へ心からのお詫びができることを望むのみ。2013/10/31