内容説明
小津安二郎の『東京の宿』から『ハワイ・マレー沖海戦』『湯の町悲歌』『ジャンケン娘』まで、戦争をはさむ20年間に日本映画は何を映し、日本人は何を見たのか。昭和10年から30年に上映された27作品を、近年まで一本も日本映画を見なかった著者が徹底分析。映画を通して日本人の心性に迫る画期的エッセイ。
目次
「東京の宿」一九三五年(昭和十年)
「東京ラプソデイ」一九三六年(昭和十一年)
「母の曲」一九三七年(昭和十二年)
「泣虫小僧」一九三八年(昭和十三年)
「純情二重奏」一九三九年(昭和十四年)
「嫁ぐ日まで」一九四〇年(昭和十五年)
「結婚の生態」一九四一年(昭和十六年)
「ハワイ・マレー沖海戦」一九四二年(昭和十七年)
「ハナ子さん」一九四三年(昭和十八年)
「熱風」一九四三年(昭和十八年)〔ほか〕
著者等紹介
片岡義男[カタオカヨシオ]
昭和15(1940)年、東京生れ。早稲田大学法学部卒業。在学中より雑誌にコラムを執筆、50年に『スローなブギにしてくれ』で野性時代新人文学賞を受賞し、本格的に作家としてデビューした。主な著書に『彼のオートバイ、彼女の島』『いい旅を、と誰もが言った』『湾岸道路』『メイン・テーマ』『東京青年』『道順は彼女に訊く』などの小説のほか、『音楽を聴く』『日本語の外へ』『坊やはこうして作家になる』などの評論・エッセイ、さらには自ら写真も撮影した、『東京を撮る』『東京22章』などの写真エッセイもある
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