内容説明
私は愚図で、腑抜けだった。大学を出て、広告代理店に勤めるも、金儲け主義に嫌気が差し、辞めてしまう。その後、職を転々とし、流れ流れて料理屋の下足番になった。世間に背を向け、抜き身で生きていこうとした青年期から小説家になるまでの葛藤を執拗なまでに描きこんだ、私小説作家・車谷長吉の真骨頂。
著者等紹介
車谷長吉[クルマタニチョウキツ]
昭和20年、兵庫県飾磨市(現・姫路市)生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。広告代理店、料理屋などで働きながら小説家を目指す。平成5年三島由紀夫賞と芸術選奨文部大臣新人賞、平成9年『漂流物』で平林たい子文学賞、平成10年『赤目四十八瀧心中未遂』で直木賞を受賞。平成13年には「武蔵丸」で川端康成文学賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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