内容説明
飢えがまんえんし、教室に来る生徒が減っていく。生徒の食べ物を奪う先生―その中からも餓死者が出る。社会主義と金正日体制を信じていた少年もついに家族とともに中国へ脱出、カンボジアを経て韓国にたどり着く。しかしそこも安住の地ではなかった。北朝鮮社会のゆがみを若い肉体に刻まれた少年の痛切な証言。
目次
第1章 穏城
第2章 ぼくの家族
第3章 「こどもは、党と国の未来である」
第4章 「今日のために生きるのではなく、明日のために今日を生きよう」
第5章 生き残るために
第6章 逃亡者
第7章 中国
第8章 韓国への道
第9章 来し方知らずのコリアン
著者等紹介
カンヒョク[カンヒョク]
1986年、朝鮮民主主義人民共和国北東部穏城(オンソン)郊外の村に生まれる。父方の祖父母は1960年に第48次船で日本から北朝鮮へ戻った帰国者。1998年、両親とともに豆満江を越え脱北した。中国での潜伏生活の後、ベトナム、ラオス、カンボジアを経て2002年に韓国へ亡命。現在、ソウル在住
桧垣嗣子[ヒガキツギコ]
1966年、東京生まれ。上智大学卒、パリ第10大学第二課程修士、パリ第3大学DEA取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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らぴ
2
凄い本を読んでしまった……! 『収容所に生まれた僕は愛を知らない』で衝撃を受けたのだが、それどころではなかった。囚人より一般市民の方が辛そうなんですけど! かの国のトップはあんなのでいいのか。誰かエジプトのように立ち上がって欲しいけど、無理だろうな〜。2011/02/03
me
0
崩壊するの待ってるんですが…しないね〜2012/09/07
emi kei
0
脱北ルートを公にしたら北朝鮮執行部に対応されるでしょうに・・2023/05/06
山葵
0
2005年出版。 同書の「著者」は1986年生まれ。在日の「帰国者」の孫で、北朝鮮では「大金持ち」と見られているような家庭で育つ。そんな彼の家族も、1990年代の「苦難の行軍」の中で次第に辛い生活を強いられるようになる。経済的には豊かであったが、帰国者であるために「成分」が悪く、長い間炭鉱で働いていた彼の父親は職業を変えてもらうことができなかった。気性の荒い父はそこで問題を起こし、劣悪な状況の「管理所」で暮らした後、家族に脱北を持ちかける。1998年に脱北し、2002年に韓国入りしたとのこと。2021/10/08
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