内容説明
「災厄をもたらす娘」として継母にいじめられ、実父に無視され、きょうだいに裏切られ続けた幼少時代。必死の勉学で医者として成功してもなお、家族に受け入れられることを夢見る著者に、さらなる冷酷な仕打ちが待ち受けていた。日中戦争、文革、開放政策…激動の時代の上海、香港を舞台にした資産家一族の悪憎渦巻く実話。
目次
門当戸対―似合いの家柄
点鉄成金―すご腕のあきんど
如影随形―夫婦は仲良し
秀色可餐―とびきりの美人
一場春夢―命はかなし
家醜不可外揚―家の恥は人に漏らすな
縁木求魚―むだな努力
一視同仁―みんな平等
人傑地霊―あこがれの国
度日如年―つらい日々を送る〔ほか〕
著者等紹介
アデリン・イェン・マー[アデリンイェン・マー][Adeline Yen Mah]
1937年、中国・天津の資産家一家に、三男一女のあとの5番目の娘として生まれる。14歳でイギリスに渡り医学を修め、アメリカで医者として成功する。半生を綴った『君玲』は世界中で100万部を超えるベストセラーとなる。現在は専業作家
山田耕介[ヤマダコウスケ]
1935年、大分県生まれ。東京外国語大学中国語科卒業。中日新聞社(東京新聞)香港、マニア元特派員
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感想・レビュー
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Arte
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主人公は中国の租界生まれで父親は金持ちだが、なかなか凄い性格(ボーダー?)の継母に育てられる。常に捨てられる危険を感じながら成長、何とか留学させてもらい、医者になって自立するが、毒親育ちなため、親に気に入られようと必死に努力する。一方、溺愛する息子を亡くした継母は、財産を餌に義理の子供達を操り、対立させ、結局主人公は姉にも裏切られる。なんと言うかもう、毒親って本当に凄いね。あと、租界って、どういう構造になっていたのか、さっぱり分からなかったけど、それが何となく分かったのが面白かった。香港大変そう。 2016/08/18