文春文庫
9・11―アメリカに報復する資格はない!

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  • サイズ 文庫判/ページ数 155p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167651282
  • NDC分類 316.4
  • Cコード C0198

内容説明

2001年9月11日―この日付は人類の歴史に深く鮮烈に刻印された。世界貿易センタービルや国防総省を標的とした同時多発テロをこの世界に生きるわれわれはどう捉えるべきなのか。米国にとって最重要の「米国批判者」とされ、事実に基づく精緻な分析と犀利な批判によって知られる著者が、静かに執拗に告発する大国アメリカの罪と罰。

目次

第1章 真珠湾と対比するのは誤り
第2章 ブッシュ政権が取るべき方法
第3章 なぜ、世界貿易センタービルか
第4章 アメリカは「テロ国家の親玉」だ
第5章 ビンラディンの「罠」
第6章 これは「文明の衝突」ではない
第7章 世界に「明日」はあるか

著者等紹介

チョムスキー,ノーム[チョムスキー,ノーム][Chomsky,Noam]
1928年、フィラデルフィア生まれ。ペンシルヴェニア大学で学士、修士、Ph.Dを修得。現在、マサチューセッツ工科大教授。言語学、哲学、政治学の分野での講演、著作多数

山崎淳[ヤマザキジュン]
1937年、札幌に生まれる。英米のノンフィクション、幻想文学などの翻訳を手がける。また峯崎淳のペンネームで歴史小説「大欲―小説河村瑞賢」(講談社)も上梓している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ヴェネツィア

522
生成文法で知られる言語学者のチョムスキーがこれまでも政治的な発言をしていたことは知っていたが、まとまった形で読むのは初めて。9.11の同月に何人かのインタビュアーがチョムスキーに質問し、それに答えたもの。彼の見解はきわめて明晰であり、高度に論理的である。また、そこではアメリカをこそ世界最大のテロ国家と名指し、ニカラグア、スーダン、アフガニスタン、イラクなどでアメリカがなしてきたことを例証している。また、9.11をけっして巷間いわれるような「文明の衝突」などではないとし、その構造を見事に解き明かす。2018/02/20

ケイ

134
まず、表紙が非常に意味深い。<真珠湾は、アメリカの植民地での出来事であり、本土が攻撃されたのは初めての事だ。実行した組織の元は、もともとアメリカが育ててきた> <欧米はこれまでは侵略していた国に侵略されたことはない> <アメリカはニカラグアという国を徹底的に破壊した。これについての国際司法裁判所の決定を無視した> チョムスキーはユダヤ系アメリカ人。自分の人種や祖国に左右されない多角的で冷静な考え方に驚く。アメリカのテロ支援については15年ほど前に「マーシャル・ロー」という映画で知った。(コメントへ続く)2016/07/31

更紗蝦

24
アメリカ同時多発テロ直後の約一ヶ月の間に行われた、様々なインタビュアーによるノーム・チョムスキー氏へのインタビューを纏めたものです。アメリカ批判の根拠となる情報の出処は全て『ニューヨーク・タイムズ』『ウォール・ストリート・ジャーナル』『ボストン・グローブ』『ガーディアン』『タイム』などの大手ニュースメディアであり、「隠蔽を暴く」とか「私だけが知っている」系のスタンスでは決してありません。【自明の事実を乗り越え、われわれは一つ一つの問いに目を向ける。調べ、行動するために。】(132p)という言葉が重いです。2025/08/18

Shinchan

17
MITの終身教授で言語学では一番論文引用数が多いチョムスキーだからこそ米国でメディアや国に対する批判を行っても社会から抹殺されないのだろう。 覇権国家(米国以外にも幾つかあるが)のエゴでどれだけの人が苦しめられているか。 本書の最後の「社会活動の役割」についての質問に、メキシコのある司教の言葉を挙げ『米国が「経済権益を擁護するため非常に沢山の暴力を揮った」後「なぜ自分たちが憎まれているかを考えてみるよう」促している』これに耳を傾けなければならないと言っている。2012/01/20

KF

10
日頃は書店に行かず図書館で借りるばかりだが、自宅の本棚にあったので読んでみた。単行本は01年の11月、手元の文庫本は02年の9月なので、単行本の段階でそこそこ売れたはず。書店で自分も「今はこれ!」と直感したのだろうが、読んだのが四半世紀経ってしまっていた。書きっぷりを一言で表現すると「反米」であり、01年頃と異なり🇷🇺、🇨🇳といった目に余るような勢力がいる現状では売りにくいかもしれないが、昨今の大統領選を観ると「この手の本を読む方が心が休まる」と感じるかもしれない。別途言語学者としての書籍を読んでみたい。2024/07/23

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