内容説明
1972年6月8日、アメリカ軍のナパーム爆撃から逃げまどうはだかの少女の写真が世界中を駆け巡った。「世界一有名な戦争被害者」になった当時9歳のキム・フックの人生は、ベトナム戦争後もこの写真のために翻弄されつづける。それは、冷戦構造のなか、「プロパガンダの道具」として彼女を利用するベトナム共産党政権との闘いだった。
目次
露出
お屋敷のお姫さま
餅米と豆のあいだ
運命の爆弾
笑顔に隠された記憶
火傷治癒と終戦
極貧生活
新たな戦争と学生生活
プロパガンダの道具
ドイツでの手術
ドン首相との邂逅
キューバ留学
突然のアメリカ旅行中止
結婚、そしてカナダへの亡命
赦し
著者等紹介
チョン,デニス[チョン,デニス][Chong,Denise]
1953年、カナダ西海岸のバンクーバー生まれ。中国系カナダ人三世。トルドー政権の上席経済顧問官を務めたエコノミスト。87年、母親とともに消息が途絶えていた中国の肉親訪問が実現したのを機に「チャイナタウンの女」(文春文庫)を執筆、各種ノンフィクション賞を受賞
押田由起[オシダユキ]
昭和26(1951)年、東京生まれ。上智大学外国語学部卒業
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