内容説明
次郎、17歳。吉祥寺で週二回、ギターを習うだけが日課の毎日。ロック世代の母親と画家志望だった父は、学校に行かなくても煩くは言わない。退屈、恵まれ過ぎているという退屈―。そんな時、音楽講師に誘われて知った「性」が世界を変えた。昨日とは丸っきり違ってる今日。愛しき少年の時間を描く青春長篇。
著者等紹介
花村万月[ハナムラマンゲツ]
1955(昭30)年東京生まれ。中学を卒業後、オートバイで全国を放浪し、数々の職業に就く。北海道をツーリングした折の紀行文が旅雑誌に採用され、原稿料を手にしたのをきっかけに小説を書き始めた。1989年『ゴッド・ブレイス物語』で小説すばる新人賞を受賞、若者がもつ峻烈な生命力と疾走感を描いて、多くの読者を得る。1998年『皆月』で吉川英治文学新人賞、『ゲルマニウムの夜』で第119回芥川賞を受賞
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感想・レビュー
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うわじまお
40
ああ、萬月さんらしい。主人公・次郎の性春物語。いろんな意味で、うらやましい^^2018/03/23
巨峰
24
ああ、萬月だなと思う。青くて、理屈っぽくて、精液くさい。。それでも、明るい方へ走り出すんだ。2013/09/16
団塊シニア
19
17歳の少年次郎が3人の女性(年上、同級生、母)との性愛を描いた青春官能小説、触角の動きが執拗に描写されてるが、なぜか物語の展開が速い感じがする内容です。2013/06/09
drago @名人戦堪能中。
16
世の中のほとんどの男子高校生が思い描くであろう、理想の青春ストーリー。 ◆前途が希望に満ち溢れているといえばその通りなんだけど、こんな現実逃避&童貞喪失ができれば何の不満もなく、できないからこそ少年は思い悩むわけで…。 ◆都合の良すぎる展開は、ほとんど官能小説。 ◆いずれにしても、安易に近親相姦してはいけません。 ☆☆☆★2017/11/17
よっぷぃ@アイコン詐欺
8
タイトルの「触角」は、いわゆる男性のナニを示しておりまして、つまりナニがアレするお話。年上の女性の手ほどきを受け、母とのタブーを超え、同級生の女の子とも関係をもつ十七歳の主人公。羨まし過gi……あ、いや、ゲフン、ゲフン。他者との関わりの中から、己を見出していくという主題の成長物語。どんな己を見出したのか、あまり深く描かれていない点は残念。主人公のキャラ設定……童貞ギター青年は、これくらい斜に構えてるものだろうけど、これほど爺臭くはないと思う。花村萬月にしては雑というか、少し浅い印象。でも、性描写は丁寧よ☆2012/05/02