出版社内容情報
歳月とともに記憶の闇の中で輝くひと、美しく年を重ねたひと──憧れの名女優が日本映画を愛する著者に語った香り高い十七の人生
内容説明
戦後日本映画の黄金期をいろどった憧れの名女優17人への連続インタヴュー。大監督や共演男優の想い出、女優を目指したきっかけ、六社協定の荒波、そして、その後の人生―とっておきの逸話から浮かび上がるのは、戦争をくぐりぬけ、女優という職業を生き抜いてきた毅然たる女性の姿である。スチール多数収録。
目次
女優嫌いの大女優・高峰秀子
ういういしく清楚な白い花びら・津島恵子
天衣無縫な戦後の明るさ・淡島千景
笑顔を絶やさぬ“あんみつ姫”・久我美子
ひそやかに咲く白い百合・八千草薫
自由闊達な現代女性の色っぽさ・岡田茉莉子
舞台に生き、映画に生きた名女優・杉村春子
五社協定と闘った美女・山本富士子
はじめてヌードになったグラマー女優・前田通子
寂し気な日本的抒情美人・新珠三千代
”東映城”のお姫様・高千穂ひづる
貧しくもけなげに生き・二木てるみ
いつまでもあでやかな大女優・山田五十鈴
映画への夢と”バラと痛恨日々”・有馬稲子
銀幕に花開いたクール・ビューティー・司葉子
愛らしい女学生から官能的なをんなへ・若尾文子
白いブラウスの似合う先生・香川京子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
桑畑みの吉
5
1995年から雑誌に掲載されたものを1996年単行本として出版。2000年4月刊行の本書はその文庫化である。インタビューに登場する17名の女優たち殆どが日本映画黄金期の昭和20年代~30年代を中心に活躍した。1995年当時で既にレジェンド級の女優ばかりである。その中で私はあえて前田通子さんに注目したい。「裾をまくれ」という監督の指示に従わなかったとして、1957年に映画会社から不当に解雇された女優である。川本氏が10年以上も申し込み続けてやっと実現したインタビュー、解雇の経緯やその後の苦労が印象に残った。2022/04/21
グラコロ
4
脇目もふらずもっぱら洋画ばかり観ていた私を、強力にぐいっと振り向かせてくれたひと。感謝します。 グラコロ堂〈人生で影響を受けた100冊〉 https://bookmeter.com/users/626279/bookcases/11552173 2014/05/21
hart
2
高峰秀子·淡島千景·山田五十鈴·若尾文子など、戦後日本映画黄金期を代表する名女優へのインタビューを通して、それぞれの戦中·戦後 女優を生きぬく姿を浮かび上がらす。「二十四の瞳」「浮雲」女優嫌いの大女優、高峰秀子さんの何と魅力的なことか。憧れの大女優達に会うなんて羨ましいですね。川本さんは、かつての親友の中·高·大同期。その縁で一度だけ電話で話した。作品を読む度、川本さんほど 本を読み映画を観る人がいるのかと驚く。文学·映画·東京·旅など評論·エッセイすべて面白い。2021/12/18
kauai9696
2
年齢を重ねても みなさん 今でも 充分美しい。個性が はっきりしていて いい。 映画という非日常世界で さまざまな作品を激動(戦争)の日本の時代の流れとともに 演じきってきた。今は このような大物女優と言われる人は 吉永小百合くらいかな。2012/08/08
すす
1
高峰秀子、津島恵子、淡島千景、久我美子、八千草薫、岡田茉莉子、杉村春子先生、山本富士子、新珠三千代、高千穂ひづる、山田五十鈴、有馬稲子、若尾文子、香川京子… 今となっては、鬼籍に入られた方も多い。 インタビューを読んで、気になる作品を観るのもよいかも。淡島千景さんの「てんやわんや」を早速観ました。 著者も書いているけど「強い」方が多い。 何しろ激動の時代を経験し、更に会社とも闘ったり。 女優は男っぽいのが多い、と以前大女優さんが語っていたのも納得。 さぁ、昔の邦画を観ていこう。2024/05/16
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