文春文庫<br> もつれっぱなし

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文春文庫
もつれっぱなし

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  • サイズ 文庫判/ページ数 294p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167636012
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

「私、宇宙人を見つけたの」「オレ、狼男に変身するんだ」そんな一言から始まる物語。全篇が一組の男女のセリフからなる異色の作品集

内容説明

あなたは宇宙人はいると思いますか?狼男は?じゃあ幽霊はどうでしょう?絶対にいないと思う方は、この本をお読み下さい。なにげなく始まった会話が、もつれにもつれて意外な方向に転がり、やがて摩訶不思議な結末へ…。作品全体が一組の男女の「せりふ」だけで構成された、謎と笑いの短篇集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はらぺこ

52
男女と思われる二人が交わす会話だけで構成された短編集。会話だけなのでサクサク読めるし、電波系とか男女のおふざけのような内容ですが面白いです。 『宇宙人の証明』の最後が個人的には一番好きですが、やっぱ『四十四年後の証明』がオススメです。『幽霊の証明』はオシャレ(?)なオチやし、『嘘の証明』は清々しいというか何かホッとするような読後感。未読の方は是非読んでみてください。オススメの1冊です。2011/12/09

ばりぼー

49
一組の男女の会話文だけで構成された、技巧の光る連作短編集。もつれっぱなしというより、すれ違いっぱなしというか論理の食い違いっぷりが、理屈っぽい話の好きな者には受けます。「何が始まってるの、いきなり?来たと思ったら、突然、あたしいないの。なんだよ、それ。禅問答かなんかやろうってわけ?それとも形而上学とか認識論とかの話なの?物事には順序とか、秩序とか、ルール説明とか、ヨーイドンとか、ハッケヨイ残ったとか、そういうのがあるでしょ。(『幽霊の証明』)」陸上競技と相撲が戦うかのような噛み合わなさに身悶えしました。2017/05/05

すたこ

24
★★★★短編集。一組の男女の会話だけで成り立つ物語6編。関係や状況も会話からどんどん分かっていくのが面白い。良くもこんなストーリーが創れるなぁと、まず感心!だって、「セリフ」だけだよ。しかも、その会話が楽しくって、あっち行ったりこっち行ったり。もうお見事としか言いようがない。あっという間に読み終えた。2014/05/20

ぱなお

16
二人の会話だけで成り立っている6つの短編集。会話だけなのでさらっと読める。面白いアイデアだと思って読んだけど、これは完全に好き嫌いが分かれそう。証明するのって難しい。2022/10/31

としP

10
【超オススメ】井上夢人の作品は初めて。「○○の証明」という話を揃えた短編集。小鉢に入ったナメクジを見せて「神社で助けた宇宙人」という彼女。満月の夜になると狼男に変身してしまうと告白するタレント、万引きで捕まったが冤罪だと主張する女子高生、など。荒唐無稽なことを言う登場人物Aとそれを信じない登場人物Bの問答が繰り返される作品。基本的な展開構造は次の通り。【①Aの言動の異変に気付くB。②Bがその異変の原因を問うと、荒唐無稽なことを言うA。③それを信じようとしないBと信じてくれないことに憤るA。④Bとの問答の中2014/08/29

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