文春文庫
おめでとう

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  • サイズ 文庫判/ページ数 205p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167631055
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

いつも束の間の逢瀬しかできない2人。年末の一日、初めて過ごした2人だけの長い時間。鍋を準備して、「おかえり」「ただいま」と言い合って(「冬一日」)。ショウコさんと旅に出る。電話の最中に「なんかやんなっちゃった」と声が揃ってしまったのだ(「春の虫」)。いつか別れる私たちのこの一瞬をいとおしむ短篇集。

著者等紹介

川上弘美[カワカミヒロミ]
1958(昭和33)年、東京都生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業。94年、「神様」で第1回パスカル短篇文学新人賞を受賞。96年、「蛇を踏む」で第115回芥川賞を受賞。99年、『神様』でBunkamuraドゥ マゴ文学賞、紫式部文学賞、2000年、『溺レる』で伊藤整文学賞、女流文学賞、01年、『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、07年、『真鶴』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nico🐬波待ち中

102
川上さんお得意の、女達の恋の短編集はやっぱりいいな。ちょっと風変わりな困ったちゃん達の恋愛模様にニンマリしたりアハハと笑ったり。みんな呑気でおおらかで。愛すべき困ったちゃん達の逞しさに元気をもらった。大人のしっとりと湿り気のある恋愛物も良かった。「あのさ、俺さ、150年生きることにした。そのくらい生きてればさ、あなたといつも一緒にいられる機会もくるだろうしさ」別れ際に突然そう言った彼。その途方もない年数は叶う訳はないと知っている。気まぐれな言葉ということも。けれど、女はその言葉を忘れない。2018/09/09

優希

87
再読です。短い話が色々入っていて、それら全てがキラキラして見えました。淡々とした文章なのに、愛おしさが感じられるのです。出会い、別れる。それは一瞬の出来事であるからこそ大切にすべきことなのだと思います。日常のほんのわずかな時間の中の輝きをすくい上げたかけがえのない物語が詰まっていました。2018/06/26

優希

47
淡々とした文章の中に凄くキラキラしたものが詰まっている感じがします。 短い話が色々入ってますが、どの作品にも不思議な安定感があるので安心して読めます。日常のほんの一瞬を切り取って愛おしく書いているのが印象的でした。人はいつか別れるけれど、今出会って、大切に時間を共有しているのだから、その時間はかけがえのないものなんですよね。当たり前のことばかりの話なんですけど、置かれている状況や、素直になれない想いなどを丁寧な言葉で描いているので、リアルに刺さったり、共感したり。心にグッとくる表現が素敵です。2014/05/29

あんこ

34
再読。川上作品に出てくる少し古めかしいことばを用いた会話が好きです。この人の紡ぐ物語はまさに「感じる」物語だなあと思いました。以前のレビューにも書いていましたが、川上作品を読むとつくづくおんなでよかったと思わされます。そのくらいやわらかいものだなあとも思います。男が出てこないおはなしに惹かれます。他の作品にもありますが、川上さんが描く女同士の物語は恋人でもなく、かといって単なる友人でもないような関係がとてもすきです。最後に収められている手紙のような「おめでとう」は、なんだかわからないけど泣いてしまいそう。2014/10/24

*さくら*

28
【再読】ゴールのない、出口が分からなくなってしまった恋愛が多い印象の短編集。一番は「冬一日」。おおっぴらにできない恋。人目を忍ぶような恋をする中、たった一日だけど。「ただいま」と「おかえり」がいいあえる。150年生き抜いて、また「ただいま」と「おかえり」が言いあえるといいな。「天上大風」もいい。何もかも失っても限りなくアクティブ思考な主人公。ちょっとおばかなんだけど、可愛らしい。落ちるとこまで落ちても、これくらい何?!って言える人に私もなりたいなぁ。そしたらまた吹いてくる風にのって上昇できる気がするもん。2018/05/13

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