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文春文庫
曾我兄弟の密命―天皇の刺客

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  • サイズ 文庫判/ページ数 472p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167629069
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

忠臣蔵、鍵屋の辻の決闘と並び、日本三大仇討ちのひとつとして知られる曾我兄弟の仇討ち。親孝行の美談として語られ続けた、この悲劇の物語の裏には、苦節17年もの壮絶な策略が隠されていた。頼朝と曾我兄弟の知られざる因縁。そして、勝者によって歴史の闇に葬られた敗者の無念を力強く描いた長篇小説。

著者等紹介

高橋直樹[タカハシナオキ]
1960年、東京都生まれ。92年に「尼子悲話」(『闇の松明』に収録)でオール讀物新人賞を受賞、97年に『鎌倉擾乱』で中山義秀文学賞を受賞するなど、本格的な歴史作家として活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

エドワード

16
元題は「天皇の刺客」。父・伊東祐通を殺した工藤祐経を討った曾我兄弟の仇討ちは、後世にまで称えられているが、その真の仇は、祖父・伊東祐親を殺した源頼朝、という物語だ。その背後に、兄弟の同母の兄・京ノ小次郎→源範頼→高倉範季→後鳥羽天皇という隠された構図がある。富士の巻狩を舞台とする死闘までの長い道のりはすさまじい迫力だ。源頼朝こそ、彼の命を赦した平清盛を滅ぼした究極の仇討ち。軍事力のみに頼る武士政権の怖さ、もろさを描く高橋氏の文章は非常に説得力があり、その後の鎌倉幕府の行く末を感じさせる。諸行は無常なり。2016/04/20

bluemint

5
久しぶりに唸った。名前だけは知っている曾我兄弟の仇討ち。概略を知りたいだけだったのに、読み始めたらとんでもないところに連れて行かれてしまった。連鎖する復讐の一部分だけを切り取り美談として伝わっていたようだ。伊豆に住んでいるので、仁田・土肥・伊東・狩野などなじみのある名前が出てきて親しみが持てた。2017/09/21

sayzk

5
「曽我兄弟」、なんとなく聞いたことあるような。「三大敵討ち」、初めて聞いた。もし、この小説が史実に近いとするならば、どこが美談になりうるのか?怨執の数珠繋ぎ。 「鍵屋の辻」とやらも読んでみたい。2017/04/15

baru2ini

4
後鳥羽天皇…承久の乱の種火は既に燻っていたのか。2022/03/04

うたまる

4
「佐殿(頼朝)が祖父入道を討ったのが正しいなら、おれたちが佐殿を討つことも、また正しい」……再読。日本三大仇討ちとして知られる『曾我兄弟の仇討ち』の新解釈版。父伊東祐通の仇である工藤祐経だけでなく、祖父祐親の仇である源頼朝をも狙っていたという仮説。なかなか信憑性があって面白い。だが工藤祐経は父の恨みを晴らしたものであり、頼朝の行為もまた同じ。つまりどちらかが一方的に悪いというものではなく、典型的な”復讐の連鎖”ってやつだ。これは許すか、全滅させるかしないと終わらない。だから頼朝の最後の台詞が沁みるんだ。2017/06/22

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