出版社内容情報
故あって勘定方を追われたしくじり御家人排郷鏡三郎の許へ、日々持ち込まれる厄介事。今回は色事師も顔負けのふしだら女が現れる。
内容説明
大番屋元締・拝郷鏡三郎のもとへ持ち込まれる厄介事が、近頃やけに艶っぽい。毒婦、奸婦と陰口をきかれる女、不義の子を宿した女、挙句は大金とともに二本の張形がひそんだ捨て物(忘れ物)まで現れて…。事件を吟味しつつも、独り身となった愛娘の行く末が気にかかる鏡三郎。悩みは尽きないシリーズ第五弾。
著者等紹介
佐藤雅美[サトウマサヨシ]
昭和16(1941)年、兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒業。会社勤務を経て、43年よりフリーに。60年、処女作「大君の通貨」で、第4回新田次郎文学賞受賞。平成6年、「恵比寿屋喜兵衛手控え」で、第110回直木賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
46
面白かったです。艶っぽい事件が起きるのにドキドキしました。愛娘・知穂のことを想うからこそ鏡三郎は悩むのですね。事件に顔をゆるゆると突っ込むのは癖なのかもしれません。知穂も波乱万丈のようでした。2020/11/30
ひかつば@呑ん読会堪能中
7
元高級役人、縮尻鏡三郎が市井の難事に関わる第5弾。相変わらずセコイ小悪党、貧すれば鈍する武士の情けない事件に振り回される鏡三郎を描く連作短編は、今回も娘の知穂が主役となったな。娘の幸せのためには臍くった金も惜しまない鏡三郎だが、やきもきするなかまたしても意外な展開。う~ん、こうきたか...あせって次を読まねば... 2013/07/30
ジュール
2
再読。 最後に、許婚に死なれる知穂がかわいそう。2017/08/25
しんこい
2
いつもの事ですが、御家人株の売買、拾得物の扱い、少年法的刑罰と江戸時代の制の発達ぶりは驚異です。何事も先例を見てからというのもこの頃からあるし。第一話では調子がでないかと思いましたが、段々入り込めました。2012/05/06
kaorin
1
主人公が隠居もしたのに、色んな事件に首を突っ込みぬるく関わっているのが心地良い。娘さんのことは急転直下で、小説のことながら驚き、全然現実味が感じられなかった。2015/07/23