内容説明
1995年、世界を揺るがした大和銀行巨額損失事件で米司法当局に逮捕された著者が、独房で隣り合わせた物静かな白人の男。彼は、全米の刑務所を支配下に置く秘密結社ABの創始者だった。麻薬、ギャンブル、殺人が渦巻く弱肉強食の世界で、三十年以上を闘い抜いた男の壮絶な人生を描く傑作ノンフィクション。
目次
一九九六年―ニューヨーク連邦拘置所
一九五一年夏―逮捕
白い象
シシィ
マクベス
罠
魔の石切り場
帰郷
バーバラ
銀行強盗〔ほか〕
著者等紹介
井口俊英[イグチトシヒデ]
元大和銀行ニューヨーク支店勤務。米国債取引の第一人者だった。1995年9月に、巨額損失事件の中心人物として、米司法当局により逮捕される。ニューヨーク連邦拘置所(MCC)に約1年3ヵ月収監され、アレンウッド連邦刑務所で約2年間服役。98年11月に出所後、ジョージア州に移住
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感想・レビュー
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Tsuyoshi
66
著者が大和銀行巨額損失事件で収監された連邦拘置所で隣合わせになった監獄ギャングABの創立メンバーであるジョージの半生を綴ったノンフィクション。塀の中では自身の信義やルールを頑なに守るものの、出所後に突きつけられる現実に屈服し、再収監されてしまう所を見ると、出所後の真の更正の難しさや17歳の時に戻れたらと切ない気持ちになった。著者自身の事件を描いた「告白」こちらも気になるので是非読んでみたい。2018/01/09
たーくん
11
市図→→1995年、世界を揺るがした大和銀行巨額損失事件で米司法当局に逮捕された著者が、独房で隣り合わせた物静かな白人の男。彼は、全米の刑務所を支配下に置く秘密結社ABの創始者だった。麻薬、ギャンブル、殺人が渦巻く弱肉強食の世界で、三十年以上を闘い抜いた男の壮絶な人生を描く傑作ノンフィクション。 2019/08/12
小鈴
9
誇り高き刑務所のキングであり、悪名高き監獄ギャングABの創立時メンバーの生き残りジョージ・ハープの半生。これを書いたのはなんと大和銀行巨額損失事件の中心人物であり、『告白』で有名な井口俊英。ニューヨーク連邦拘置所の部屋が隣り合わせたことから、この本が生まれた。なんと数奇な巡り合わせ。この本ではジョージの半生だけでなく、資料の乏しいアメリカ監獄ギャングの暗黒史も知ることができる貴重な本です。 2010/10/20
おふとん
1
ほんとかよ、ってお話です。でも、考えたら凶悪犯罪者の集う刑務所が世界で一番危険な場所なのかもしれないですね。
hikarunoir
1
ゲイリー・ギルモア登場も大きいのだろうが、個人的にはバンカーとエルロイを繋ぐ作品と位置づけたい。2010/07/31