出版社内容情報
沖縄の自然に抱かれ育った美少女綾乃が聞いた神様の御告げとは。豊かな伝承と少女の感性が見事にマッチした現代人必読の一冊!
内容説明
「ワジワジーッ(不愉快だわ)」ガジュマルの樹の下で19歳の綾乃は呟く。神様のお告げで、ユタ(巫女)になれと命ぜられたのだ。困った彼女は86歳の大親友オージャーガンマーに相談するが…。あふれる方言、三線の音、沖縄の豊かな伝承を舞台に、儚い物語の幕が上がる。第6回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
336
第6回(1994年)日本ファンタジーノベル大賞受賞作。本書はたしかにファンタジーといえばファンタジーなのだが、そもそもこの物語世界自体が現実とファンタジーの境界がはなはだインタラクティヴである。物語の舞台はどうやら石垣島のらしいのだが、そこに流れる物語の時間は実にゆったり、まったりとした濃密なそれである。「…しなければならない」、あるいは「…でなければならない」というのはそこには何もないのである。少なくてもそこに暮らす綾乃とオージャーガンマーにとっては。これはまさに固有の時間に展開する物語なのである。2019/03/31
はる
48
とにかくずーっと下品で、私的にはかなりマイナス。神様のお告げでユタ(巫女)になった19歳の綾乃の物語。沖縄のゆったりとした雰囲気とディープな沖縄の方言が不思議な魅力を醸し出しています。親友のおばあオージャーガンマーとの、馬鹿馬鹿しくも楽しくて呑気な日々。そして次第に分かってくる秘かな想い。なんだか切なくてラストのやりとりに泣いてしまう。2016/06/28
BlueBerry
35
流石、日本ファンタジーノベル大賞受賞と言うことで思ったよりも面白かった。常識とか関係無しでのんびり生きていた主人公の成長のお話ですね。ラストも上手で読後感も良かったです。お勧めですね。2013/07/22
ちゅら
15
同じタイトルの本を別の出版社から出ているものも購入し、再読するのは、夏目漱石に続いて2回目。内容も面白くかついい話だから。2013/08/04
MarsAttacks!
15
池上さん特有の濃い登場人物達、彼女らが引き起こす騒動に、南国のゆっくりまったりとしている雰囲気に、なんかせかせか生きている僕には、うらやましく物凄く憧れました。物語は最初の方、方言の表記などで少しとっつき難い感じがしましたが、段々と物語の世界に引き込まれていき、一気に読み上げてしまいました。前半とは打って変わっての感動のラスト素晴らしかった。2012/01/14
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