文春文庫
明日の約束

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  • サイズ 文庫判/ページ数 230p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167612054
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

愛に戸惑う貴方に贈る5篇プラス1。
別れ話を秘めた女と、プロポーズしようとする男。2人の夜は…。愛とはこんなにも、もろいものだったのか? 恋の記憶が感傷に、出会いの輝きが紫煙にかすむ時、2人は再び互いの瞳を見つめ合う。愛のあやうさ、はかなさ、残酷さをそっと明かしつつ、その再生の奇跡を華麗に、力強く謳い上げた珠玉の傑作短篇集。
解説・野崎歓

内容説明

別れ話を秘めた女と、プロポーズしようとする男。二人の夜は…。愛とはこんなにも、もろいものだったのか?恋の記憶が感傷に、出会いの輝きが紫煙にかすむ時、二人は再び互いの瞳を見つめ合う。愛のあやうさ、はかなさ、残酷さをそっと明かしつつ、その再生の奇跡を華麗に、力強く謳い上げた珠玉の傑作短篇集。

著者等紹介

辻仁成[ツジヒトナリ]
1959年、東京生まれ。89年「ピアニシモ」ですばる文学賞を受賞し、作家デビュー。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年「白仏」の仏翻訳語版Le Bouddha blancで、仏フェミナ賞・外国小説賞を日本人としては初めて受賞。文学以外の分野でも幅広く活動し、監督・脚本・音楽を手がけた映画「千年旅人」「ほとけ」「フィラメント」でも注目を集める。2003年より渡仏。現在は拠点をフランスに置き、創作活動に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

桜もち 太郎

17
多くの作品は地名は出てこないが、海外を舞台にしているような気がする。印象に残ったのは表題作の「明日の約束」だ。文明社会と隔絶された部族にたどり着き、そこで結婚するという男の運命が描かれている。部族の残虐さと静謐さが対比されていてよかった。そしてどうしても短編となると最後の物語が心に残る。「あとがきにかえて」の「世界で一番遠くに見えるもの」だ。オマケのような短編だったが、長く付き合う中で、お互いの価値観が少しずつずれていく。彼女は別れたい、彼氏は結婚がしたい。そんな思いを伝えようとする一晩の物語。→ 2021/12/14

ヒカリ

2
地名や国名のない男女の心のやりとりを描いた物語。抽象的な表現で、伝えたいことが分かったときぐさりと来る。特別な事件や出来事がないのに、感情や心の動きが伝わる作品。2018/06/06

4423

2
どれも切ないような、恐ろしいような、不思議な読後感だけが残る短編集。『ピジョンゲーム』と『隠しきれないもの』が好き。2018/05/03

まんまるプーさん

2
今、放映しているドラマの原作かと思って通販で買ってしまった・・・全然違うものだた。せっかく買ったので読んでみた。TVで拝見する辻仁成さんが書いた短中編集。摩訶不思議な男女の物語や、少年が体験する不思議な生活を哲学的な物語等々。まあまあ面白かった。2017/11/25

Ichiro Toda

2
あとがきを含む6編が収録された短編集。どの作品もコミュニケーションやつながりについて書かれているのだが、全く違う題材を扱っているので非常に面白いし、考えさせられる。タイトルの“明日の約束”は医療ボランティアに行った医師が密林に逃亡し、文字のない世界、時間のない世界で生活する話で文明がない世界、文明のある世界すなわち過度にコミュニケーションを取らなくてはいけない世界の対比を描く。個人的に好きなのは最初に収録されている“ポスト”。ノンバーバルコミュニケーション特有のつながりを描いておりとても切ない。2012/09/20

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