文春文庫<br> 白仏

文春文庫
白仏

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  • サイズ 文庫判/ページ数 299p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167612023
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

筑後川下流の島に生まれた稔は発明好きで戦前は刀鍛冶、戦中は鉄砲修理、戦後は海苔の加工機製造などをしてきたが、戦死した兵隊や亡き初恋の人、友達、家族の魂の癒しのため島中の墓の骨を集めて白仏を造ろうと思い立つ。明治大正昭和を生きた祖父を描く芥川賞受賞第一作。1999年仏・フェミナ賞外国文学賞を日本人初受賞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

101
辻仁成の芥川賞受賞第一作でもあり、また1999年仏・フェミナ賞外国文学賞を日本人初受賞というので、期待して読んだが、それほどのものでもなかった…と思う。自分の祖父鉄砲屋今村豊をモデルとして、戦中・戦後を描いてはいるが、身内のせいかやや筆力が弱い気がする。亡き初恋の人「緒永久(おとわ)」とのくだりだけが妙にいきいきとして、切ない。フランス人が読んだ「白仏」は、そこに三島由紀夫の影響を読み取ったらしいが、私には読み取れなった。 2011/07/09

あつひめ

50
タイトルの白仏(はくぶつ)の姿をネットで確認。心にとどめて読み始めた。愛と生と死はすべて重なり合っている。この中のどれかだけを消すことはできない。生きれば人を愛したくなる。愛を失うと死にたくなる。生まれたらいつかは必ず死を迎える。生きるとは単調なようで実はとても難しいこと。辻さんの日々の言葉の奥底には愛・生・死が刻まれているような気がする。多くの死者の白い骨。一つ一つに本人の歴史だけでなく先祖から受け継いだ命も溶け込んでいる骨。死んだら無になる。改めて生きること死んでからのことを考えるきっかけとなった。2021/07/30

桜もち 太郎

19
筑後下流にある大野島で生涯を過ごした作者の祖父をモデルにした物語。明治大正昭和を生き抜いた稔(みのる)。子供のころから身近な死に触れ、またシベリアでロシア兵を殺した体験から、死について深く考えるようになる。何のために生まれ、死の先には何があるのか。晩年幼馴染の清美は死は無だという。立場を超えて無になるという。稔は「死は思考を越え、存在を越えた深い宇宙」であるという。二人を中心に進める島の遺骨をすべて集めて骨仏「白仏」を作る使命的活動は実を結び、現在島の納骨堂に建立されている。→2025/08/17

しーふぉ

16
辻仁成の祖父がモデルの本作は仏のフェミナ賞受賞作。 人骨を墓から掘り起こして骨仏像を作ることに共感が出来い…2014/11/08

イタリアンでこちん

15
究極の愛の物語・・・「生」と「死」誰もが避けて通れない二極をテーマに「運命と輪廻」をモチーフに、一途に唯ひたすらに一途に。明治、大正、昭和と激動の時代を背景に生き抜いた男の物語。えーちょっと苦手かも、だって、宗教色が強いんでしょ。・・いいえ、ご安心下さいな。よくある押し付けがましい嫌な宗教臭さは全くと言っていい程感じないと思いますよ。自己の儚さを根元にして過去、現在そして未来をも一つに繋ごうとする想い。その一途さが戦死、自殺、病死、溺死・・・目の前の色々な死。そして最後にやるべき事:一大事業を見出す。続く2010/01/02

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