文春文庫
左腕の猫

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  • サイズ 文庫判/ページ数 313p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167606077
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

乳ガンの手術から快復した妻に突然別居を切り出された夫。移ろう人の気持ちに、いつも同じ場所でまどろむ猫には永遠を感じるが―。飼い猫へ深い愛情を示す以外は無味乾燥な生活を送る女に、男は居心地の良さを覚えてゆく―。儚くも温かい表題作を含め、猫をテーマに男女の微妙な関係を鮮やかに描く六篇。

著者等紹介

藤田宜永[フジタヨシナガ]
昭和25(1950)年、福井県に生まれる。早稲田大学中退。48年、パリに渡り、エールフランスに勤務。55年に帰国後、エッセイを執筆。61年、「野望のラビリンス」で小説デビュー。平成7年、「鋼鉄の騎士」で第48回日本推理作家協会賞、同年、「巴里からの遺言」で第14回日本冒険小説協会大賞短編部門大賞を受賞。その後「樹下の想い」で恋愛小説に新境地を拓き、平成11年、「求愛」で第6回島清恋愛文学賞を受賞、平成13年、「愛の領分」で第125回直木賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

秋桜

12
大人の恋の話が読みたいと常々思っていた私。本作は6編の大人の恋。だが残念ながら主人公は男性。しかも中高年。そんなわけで話がちょっと寂しく、セピア色でしか景色が思い浮かばない感じ(^_^;)。それでも、おじさんの恋話に猫がソロッと出てくるのが何気なくて良い。人間に距離をとりながら生きている、それでいて人間を必要ともしている猫の生き様がまた良い。表題作「左腕の猫」にホロっときた。私も猫を飼っているので、猫と心が通じていくまでの過程がよくわかる。猫好きさんに読んでほしいな。2016/08/26

赤い肉球

7
初読み作家さん。崇拝する真理子さんのご主人だというのにずっと読んでなかった。短編なので物足りなさはあったけど、猫が登場するからか読みやすかった。どの作品も藤田氏の顔が浮かんだ。どうしてこうも年の差があるのにすぐに関係を持ってしまうんだろ。女性の気持ちが分からないなぁ…。片ややっぱり男は若い女性が好きなんだよねぇ…。なんだかなぁ…やっぱりそうなっちゃうんだ…。と、どの作品を読んでも思っちゃった。表題作の左腕の猫が切なかった。その後、ずっと彼女の思い出を語りながら一緒の時間を過ごしたことでしょう。2015/04/04

とろこ

7
女好きな中年と,なぜか周りにいる猫の話。 ちょっと中途半端な印象がないこともないけれど,それも猫の気まぐれ故かと思ってしまえばありかも。 いつものことながら,どうしようもない中年男はほほえましい。もちろん小説の中限定ですが(笑)2012/11/22

チェス

4
こちらはちょっと。うーん。 図書館本。2019/03/25

コノヒト

2
男と女と猫との対照。男は生き方が不自由だ。見栄とかしがらみとか屁の役にも立たないプライドとかに拘泥するのだ。その対極にいるのが猫で、気随気ままを体現した生き方をしているように見えるから、猫のことは猫に聞かなければわからないのだけれども、だとしても、男としては猫に憧れる。手本にしたいような気になる。女は男の不自由と猫の気ままの間にいて、でもだいぶ、猫寄りの所にいる印象。わりとヒョイと身軽に動く。2016/07/07

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