内容説明
2001年10月、虫垂がんであると告げられた―。予想だにしていなかったがん告知に、「大きく人生を組み立て直さなければならなくなったな」との思いが脳裏をよぎる。40歳、女ひとり、のんびりゆったり頑張ってきたが、この先、一体どうなるの?仕事、食事、今後の検診…がんと向き合う日日を綴る。
目次
四十歳で、がんになる
まだ死にません
仕事のし方も考えどころ
もしかして乳がん?
噂のマンモグラフィ
日帰りで手術を受ける
がん美人説を追う
張り切ってボランティア
実家の一大事!
がん年齢、親は高齢
子宮体がん検査に初挑戦
だいじょうぶ?海外出張
旅先からの便り
患者仲間と温泉へ
親に病気を告げるとき
歯までが悪くなるなんて
二度めの知恵
働きながら食事療法
免疫力強化月間
お見舞い、いろいろ
読書セラピー
新しい人々
看護師、初体験
理想の死に方
あきらめずにリストランテ
変ったこと、変らないこと
がんのある日常を生きる
文庫版あとがき
著者等紹介
岸本葉子[キシモトヨウコ]
1961年、神奈川県生まれ。東京大学教養学部卒業。保険会社勤務の後、北京外国語学院留学生として中国に滞在し、アジア各地を旅する。帰国後、日常や旅を綴ったエッセイを発表。2001年、虫垂がんの手術を体験、その経験を『がんから始まる』にまとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きょーこ
27
ガンの手術を終え、その後の暮らしから生まれたエッセイ。シングルでいきる覚悟を強く感じる。強すぎて驚く。入院中でも、医師や看護師に迷惑をかけないように気を張る必要があるのか?と思う私は甘いんだろうな。夫や息子がいても、この後病気になってみてもらえるのか?と思ったら、一人の覚悟も必要だと思う。2016/04/14
やどかり
19
ガンの治療が終了してから、不安や再発への恐怖が訪れるというのは、経験者でなければわからない実感だろうな。食生活をきちんと管理してらっしゃるけど、無理してる感じはない。1人で生きる覚悟がなければできない強さだと思う。それでも全く気負ってないところが、岸本さんの良さ。内容の割りに、読んでいて暗い気持ちにはならなかった。以前読んだ柔らかな雰囲気のエッセイからは、このような体験をされていたとは想像もつかない。2015/04/21
youyou88
11
四十歳でがん宣告された著者。 リアルながん患者の生活や思いとは。 誰でもがんになる可能性がある。自分が実際患者になった時にどう考えどう行動するか…わからない。 その時のためにも色々知っておきたいと思い読んだ本。 明るく書かれてはいるので読みやすいと思う。 https://ameblo.jp/harayou1223/entry-11273658355.html2022/07/16
百花
6
2011年10月、著者40歳の時、がんを告知され手術を受け治療にあたる。そのことに関しては、前作の「がんから始まる」に詳しい。本作はがんになって二年から三年後のことを中心に書いているが、前半は重なる記載も多かった。私が注目したのは、がんという病気に対しての怖れが、むしろ術後に現れたということ。つまりは再発への怖れだ。そして、再発へのリスクを少しでも減らすための努力を続けた。徹底した食事療法など、それらがいまも活躍する著者を支えたとするなら、真似しても損はない。私には難しいけれども。2019/07/21
パキ
5
がんであることを伝えたときの相手の表情、それをみて「ああ、自分はもう死ぬと思われてるんだなあ」と感じる。ところがどっこい、けっこうがんになった人は普通に人生を継続してますよ、ということをサラリと伝えてくれて心強い。 2022/07/29