内容説明
小さい頃に聞いた言葉、若い時の思い出の言葉、本で読んだ明治の言葉…今ではあまり使わなくなった言葉を拾い集めていくと、懐かしい風景が浮かび上がる。「お膝送り」「欄干渡り」「お腹立ちさま」「御線美」「悩殺」「カルタ箱」「永日」「トッポイ」「ちゃら」「香箱」「あたじけない」「乃木式」など、懐かしい言葉・懐かしい風景、精選86。
目次
1 暮らし―若かりし日を思い出せば(ぽる;さつまの守 ほか)
2 少年少女―少年の冒険、女学生の会話(めんち;柚の皮 ほか)
3 方言―使い込まれた味わい(徒然;エヘン顔 ほか)
4 日々のなりわい―こんな業界用語、ご存じですか(フクハキタリ;激語 ほか)
5 花柳の色―色の道に分け入りて(出歯る;ちょいと ほか)
6 言の葉のしずく―ふとした言葉を見直せば(万歳;食っちゃ寝 ほか)
著者等紹介
出久根達郎[デクネタツロウ]
1944(昭和19)年、茨城県生まれ。73年より東京都杉並区高円寺で古書店「芳雅堂」を営むかたわら文筆生活に入る。92年、『本のお口よごしですが』で講談社エッセイ賞を、93年、『佃島ふたり書房』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うたまる
5
もはや死語になりつつある言葉についてのエッセー集。その語源、由来に加え、著名作家の用法や著者の推測を交え、飽きさせない構成が見事。感心したこと、初見のものなど多数収穫あり。「”共働き”は”共稼ぎ”の語感を嫌って出来た語」「拉致は本来”らち”ではなく”らっち”」「”訳知り”は特に色恋沙汰についての事情通のこと」「勉強の”勉”は中国語で”無理して”の意のため、両方で”強いて嫌々するもの”の意」「大正時代、貧民や細民という語が『帝都の名目上耳障り』とあって”小額収入生活者”と改正することに決定」等が面白い。2013/02/09
wasabi
1
セピア色、言わば褪せつつあって、さらに言えば死語にならんとしている、そんな言葉の数々が並ぶ。とは言え、初めて聞く未知の言葉が多かった。2008/01/19
ちーちく
1
期待してたほどではなかったものの、頭をあまり使わずゆったり読める点でよい。2012/12/22