文春文庫<br> 狼奉行

文春文庫
狼奉行

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  • サイズ 文庫判/ページ数 285p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167572013
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

雪深き奥羽の秘境。失意と悔恨の日々を送る若き山代官は、いつしか狼奉行と呼ばれる逞しい武士に成長を遂げた。が魔の手が再び……

内容説明

羽州上山藩の若き武士・祝靱負はお家騒動の余波で山代官の下役に配される。家格に合わぬ役目に力を尽す寡黙な若者に襲いかかる自然の脅威。狼の来襲、かせぎ病(狂犬病)の流行…。風雪は人を磨き、いつしか青年は大きく成長を遂げていた―直木賞受賞作品ほか充実の中篇「厦門心中」「小姓町の噂」を収める。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

123
直木賞】「狼奉行」時代物。羽州上山藩。木戸番小屋勤め。狼が出て、狼を撃つ狼奉行に。地方の悲哀と、小藩の揉め事。話の流れは掴めた。生きていくには獣を撃たないといけない。だからどうというのがよく分からなかった。解説赤木駿介。ほかに短編2話。「厦門(アモイ)心中」は戦争前の中国の話。「小姓町の噂」は日ロ戦争後のロシア俘虜の通訳が出てくる。2014/04/08

遥かなる想い

119
第106回(平成3年度下半期) 直木賞受賞。 舞台は江戸時代。 表題作は、家格にそぐわぬ人事を された主人公の内面を通して、 江戸の庶民を描く。 お家騒動の渦中から父の配慮で 僻村に行くが、そこで出会った人々、 十兵衛、みつ等が妙に暖かい。 江戸の人情物に共通する 心の触れあいを今に伝えてくれる。2013/12/22

hit4papa

59
時代小説集。「狼奉行」は、若き武士の成長物語です。将来を嘱望されていながら、御家騒動の余波で、雪深い山奥の代官に左遷となった青年。忸怩たる思いを抱きながらも、様々な自然の脅威や現地の人々との関わりから、武士としての生き方を学んでいきます。クライマックスは、狂犬病におかされた狼の群の掃討作戦です。人生の苦境を乗り越えんとする姿は、教訓とまではいきませんが、共感はできるでしょう。その他、日清戦争後の中国居留地の悲恋「厦門心中」、日露戦争後の山形での露西亜人俘虜たちと通訳の青年「小姓町の噂」【直木賞】2022/06/21

JUN

20
直木賞受賞の表題作「狼奉行」と「厦門心中」、「小姓町の噂」の3作品。あえてあげるなら、「厦門心中」が好みだった。全般的に自分には合わず、のめり込みにくい印象。2015/08/25

きのこ

17
直木賞86/189 受賞作を含む中編3篇。表題の受賞作はふうんと言う感じ。あまりに唐突な終い方はいかがなものか。それよりも他二編が良かった。特に「小姓町の噂」はロシア兵捕虜の通訳にスポットを当てた、目新しくて臨場感に溢れた良作でした。2019/04/18

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