文春文庫
乳房

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  • サイズ 文庫判/ページ数 216p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167546120
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

愛しい妻は癌に冒されていた。その現実から逃れるように夜の街へ出た「私」が、病室に戻って妻と眺めた月は…。何気ない会話の中に潜む情愛。平成3年、第12回吉川英治文学新人賞を受賞し、作家としての評価を確立した、珠玉の短篇集。表題作ほか、「くらげ」「残塁」「桃の宵橋」「クレープ」の全5篇を収録。

著者等紹介

伊集院静[イジュウインシズカ]
昭和25(1950)年、山口県生まれ。立教大学文学部日本文学科卒業。平成3年、「乳房」で第12回吉川英治文学新人賞受賞。4年、「受け月」で第107回直木賞受賞。6年、「機関車先生」で第7回柴田錬三郎賞、14年、「ごろごろ」で第36回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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夢追人009

127
伊集院静さんが今から約30年前に著し吉川英治文学賞を受賞された哀切な大人の人生の物語集。本書を読み終えて思ったのは誠に大雑把ですみませんが、どんなに後から悔いても所詮人生はなるようにしかならないっていう事実で今の一瞬一瞬を噛み締めて精一杯自分の思う通りの道を一生懸命に突き進む事しかできないのだなという感慨ですね。『くらげ』お兄ちゃんは何処かで生きていると信じて幸せになろうね。『乳房』理不尽な運命だけど怒りと涙を堪えて頑張るのだ!『クレープ』娘との久々の再会にカッコ悪い父親でも地のままでぶつかればいいのさ。2020/01/04

かいちゃん

25
伊集院静はおそらく6冊目くらいかな。 これってフィクション?伊集院さんの体験ではないだろうか。2023/09/26

syuntaro

15
【伊集院静の自身の人生を反映した出世作】大学卒業後失踪した友人に、兄の海での遭難死事件を重ね見た「くらげ」。癌に冒された愛妻から逃げるように夜の街に出た男が、病室に戻り妻と眺めた月に美しさと儚さが共存する表題作。大学の野球部の友人に会い、変わらない眼差しと変化に気付く「残塁」。年下の男と再婚した女と、岡持で逮捕され転落した両親、灯りと造花の花が鮮やかな印象を残す「桃の宵橋」。妻と離婚した男が高校生の娘との再会で、不器用なまでに緊張する男を描く「クレープ」。余韻の残る秀逸な短編揃いで、心地よい読後感だった。2014/05/25

rakim

9
達観したような淡々と流れる美しい日本語の中にある物語は、実はほのかに血の匂いが感じられるようにも思う。潜り抜けなければ到達できない人間の色気なのでしょうか。じっくりと味わいたい短編集。2013/06/30

sashawakakasu

5
くらげ、乳房がよかった。野球の話題が多くて好感が持てた。2021/07/22

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